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静かな海を見ながらジビエカレー
20260516
能登長寿大仏
大仏を見るために能登島から再び穴水へ。
今度は能登島大橋を渡って本土上陸。
ここも看板が至る所に出ているので安心パスポート。
(ケーズデンキ)
能登長寿大仏は富山出身で、ここ穴水で建築会社を成功させた方が作った「真和園」という仏教公園の中にあります。
(この社長、100歳で天寿を全うしたので、のちに長寿大仏と付けられれたんだとさ)
ここには大仏のほか、三重塔、親鸞聖人、観音様、弘法大師等の11の仏像が安置されており、真和園11ケ所巡りとして参詣者に親しまれているそうです。
能登の地震での影響で中には入れないかもと少々不安だったけど普通に入れました。
しかし、道はデコボコ、大仏前の経机は倒れ、二本の灯篭も真っ二つに折れ、近くにあった多くの大型灯篭も写真のあり様でした。
前日の雨でぬかるんだ境内を歩くと直ぐに大仏が登場。
「いや、思ってたよりでけーな!細身でイケメン、肢体のバランスも非常にいい。富山の高岡大仏よりも姿形が奇麗な阿弥陀だ」
ここでもひとりごと解説員の本領発揮。
この仏像は富山の仏像専門の鋳造会社が作ったそうでリン青銅製です。
リン青銅と一般的な銅像に使われる青銅の違いは銅に錫を加えた合金が青銅で、そこにリンを混ぜたのがリン青銅です。
リン青銅は強度と柔軟性が増して鋳込みの際に銅の流れもよくなるため、仏像では繊細な表現も可能になります。
ドラムの高級シンバルや高級管楽器もリン青銅で作られています。
奈良の大仏は実物大の鋳型を作って下から順に8段階に分けて青銅を流し込む方法で作られているので、途中、進捗状況を8段分確認が必要になり非常に手間と時間がかかります。
実際、奈良の大仏は多くの熟練職人が制作に関わりましたが、それでも九年以上もの年月かかり完成しました。
こちらのような現代の大仏は頭、腕、胴体などパーツごとに分けて鋳型を作り鋳造、アルゴン溶接で各パーツを接合するのではるかに早く完成します。
奈良の大仏の内部の骨組みは木でできていますが、こちらのような仏像はステンレスの骨組みで補強されています。
そして横に目をやると見事な三重塔が。
「これもまた、完璧な造形美だ。てっぺんの相輪もごっつくて立派」
最上部のアンテナみたいなのが「相輪」と呼ばれるものです。
一番上の丸い玉は仏がよく持っている宝珠、次の水しぶきみたいに見えるのが火災除けの水煙と呼ばれるもの、そして真ん中の9枚の輪は「五智如来」という5人の仏と4人の菩薩を表しています。
一番下に「露盤」と呼ばれる台の上にあるのが「伏鉢」というもので通常、釈迦の骨「仏舎利」が収められている塔の中で最も重要な部分です。
こういうことは相当な仏教建築マニアでないと知らない事なので、旅行で五重塔とか三重塔を友達と見にいったときに何気なく教えるとたいていの人は半ばあきれ顔で口ぽっかりしながら感動してくれることでしょう。(笑)
ぐるっと一周すると、塔の唐戸が外れていました。
能登半島地震の影響か、はたまたここを訪れる数日前にこちらの太子堂の銅板の屋根が盗難にあったことがニュースでやっていたのでその輩の仕業なのか?
※前記の折れたと思っていた銅製の灯篭、これも盗まれたものと後日、ニュースで知る。
後日、能登の無人寺で屋根銅板を盗んだスリランカ人グループの犯人が捕まったので多分奴らの仕業かもしれません。。
大仏にせよ、こちらでいろいろ見られる建築物の完成度の高さは見事なもので、相当なお金と相当な腕前の職人集団によって作られたことがわかります。
もっとじっくり見たかったけど、日帰りで時間がないので今回はここで終了です。
須曽蝦夷穴古墳(国史跡)
どうしてもみたかった須曽蝦夷穴古墳。
運転中、「須曽蝦夷穴古墳」と書かれた大きな看板が至る所で出てくるのでカーナビがなくてもわかりやすい。
話は飛ぶけど、岐阜の山奥にドライブに行って「飛騨鍾乳洞」とか「大橋コレクション」とかの看板を見るとわくわくするあれに近い感情がここでも湧き出す。
(大橋コレクション、どんだけマニアやねん。笑)
あいかわらず、ここも客は誰もいない。
(やはり観光は平日に限る)
須曽蝦夷穴古墳駐車場に到着すると、ここから150mと書かれていたので新緑のフィトンチッド溢れる清々しい香りを嗅ぎながら鳥の声しか聞こえない道を行くと意外なほど直ぐに到着。
近くには「蝦夷穴歴史センター」があり、出土品や発掘中の写真、島内の遺跡出土品などが展示されています。
「こ、これが日本で唯一ともいえる高句麗式古墳か!平べったくて京都の将軍塚みたいだけど、ああああ、入口が二つある!これは珍しい!」と相変わらず独り言でやばい人感たっぷりだ。
「まじか!中に入れるぞ!」
むちゃくちゃ狭い墓室は二つあり頭に気を付けながら上を見上げると独特な石の積み方をした天井が見えます。
「このラテルネンデッケ技法の石組みなんて力学がわかってないと出来んぞ!昔の人、どんだけ頭いいの?これを見るだけでも価値があるな」
天井を撮るのを忘れたので、気になる人はネットで調べてください。
ちなみにこの独特な石組みのドーム技法である「ラテルネンデッケ(隅三角持送り技法)」は日本ではこの須曽蝦夷穴古墳でしか見ることができません。
「しかし、ここ、いったい誰の墓だったのか?」と今頃になってシンプルな疑問が湧いてきた。
ここで中学、高校時代歴史の成績はクラスでほぼトップだったことを後に当時の教師から教えてもらったことを思い出し、自分なりに脳内で歴史的回想を始める。
3世紀から6世紀、朝鮮半島に伽耶という国が存在していて伽耶は当時、百済や新羅も持たない高度な製鉄技術で栄えた「鉄の王国」と呼ばれる国だった。
(あー、いろいろ思い出してきた!鉄の王「キム・スロ」なんて韓国ドラマもあったよな!笑)
この古墳は日本書紀に登場する660年に蝦夷・粛慎(しゅくしん)遠征に従軍し、亡くなった豪族・能登馬身龍の墓とする説があります。
一方、伽耶が滅亡するまで伽耶の友好国であった日本のヤマト政権は伽耶を北方の騎馬民族からの侵略と高度な製鉄技術を守るため幾度となく朝鮮に出兵していたことも周知の事実です。
能登、特に穴水周辺では鋳物の製造・生産が盛んにおこなわれていた時代があり、穴水に鋳物博物館まであることや、須曽蝦夷穴古墳のような日本でもほとんんど前例がない高句麗式の古墳ということを鑑みれば、出土品の直刀やほぞ孔鉄斧などから伽耶から高度な製鉄技術を持って渡来し、鋳物の精錬・製造技術を能登に伝えた人物だということも考えられると個人的には思います。
誰の墓かは今もわかっていませんが、この南向きの小高い丘からそういった当時のことをいろんな角度から想像すると何とも言えないロマンティックな気分になりました。
次回に続く・・。

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石川県能登島ガラス美術館
ガラス作品より何故か毛綱毅曠によるスペイシー建築が有名な石川県能登島ガラス美術館。
石川県と書かれているけど、県営ではなく七尾市が運営している美術館。
生まれて初めて島に渡ったのです。
あまりの嬉しさに全く車が来ない橋の入り口付近に車を止めて記念撮影。
未開の地に初めて足跡を残す探検家のような気分です。
(能登島を馬鹿にしてんのか。笑)
昭和の金沢人ならわかると思いますが、かつて卯辰山にあったサニーランドに行くような道路感覚が延々続きます。
(とってもわかりやすい)
すぐ近くには能登島水族館。
穴水からツインブリッジのとを渡って車やオートバイでなければ絶対無理な僻地の丘に堂々とたたずむ美術館にやっとこ辿り着く。
スターウオーズに出てくるタイファイターみたいな建物に迎えられ入館。
客は他に誰もいない。
中は美術館というより博物館のようなスタイル。
イームスとかハーマンミラーのプラスティック・シェル・チェアーのような椅子が見える。
それもクリアタイプ。
中国のガラス美術品やイタリアの誰だったか忘れたけど有名な方の作品がいやというほどありますが、そこは軽くスルーして本日のメインイベント、サルバドール・ダリがフランスの老舗高級クリスタルメーカーのドーム社と共同制作した本物のガラス作品群をじっくり鑑賞。
「なんて奇麗な色をしたガラスの馬なんだ!」
誰もいない中での独り言なので、やばい人のような感じで延々鑑賞。
そして時折、スペースが余ったのか、全く関係のない七尾市美術館所蔵の古代絵巻も飾られている。
(笑)
そんなプチ騒動を後にして、美術館のある丘から波一つない七尾湾を見下ろす僕。
あまりの美しさに言葉を失いロードス島の丘からギリシアの海を眺める十字軍の騎士状態の僕。
「今日見た最高の美術品はこの景色だ!」と名作映画のエンディングのような独り言を残して島を後にしました。
次回に続く・・。
Noto
© 2024 Eleftheriadis George
Noto
📷 ireneinsicily