販促会議企画コンペティション2015 ファイナリストの、企画ができるまで
業界紙「販促会議」「宣伝会議」「ブレーン」などを発刊する株式会社宣伝会議が主催する企画コンテスト。今年で第7回目。協賛企業が課題を提示し、その解決となる企画で競い合うもので、賞金もあり。
提出物は企画書だけなので、プランナー、プロデューサーやそれに準ずる方々も参加しやすいコンテストです。
http://spc.sendenkaigi.com
ちなみに、第一回目のグランプリは、コカ・コーラのお題に対する電通テックの方の企画
ちょっとした伝説になっているくらい、とても素晴らしい企画です。
また、第6回の協賛企業賞受賞作品は、その後本当に実施されました
筆者は、初参戦の第6回は一次審査通過。今回はファイナリストに残ることができました。
タイトルは「乾杯クラッカー」
キリンビール社の課題「20〜30代のアルコール飲用層が氷結を積極的に購入するプロモーションアイデア」に対する企画です。
http://spc.sendenkaigi.com/2015/finalist/no_15.html
Spc2015 15 from Kaigi Senden
今回は、この企画書を作るうえで、どんなことを考え、どういうふうに作ったかを書きます。
来年参加してみようかなと思った方々、提出してみたものの惜しくも残れなかった方々 このブログがなんらかの参考になれば。
参加企業(15社くらい)が出す課題を1つ選び、それに対する企画書を作成する。(複数応募OK)
PDFで10ページ5MBまで。 これだけでダラダラと分厚い企画書はNGですし、音声・映像などで魅せることも、モックを提示するできません。純粋に企画勝負になります。
前回のコンテストに対する総評や、今回の募集要項に 審査員から、どういう基準で審査をするかがコメントされています。
わかりやすくいえば、 「それで人が動くか」 と、 「実現できるのか」
頭でっかちな企画、夢広がっちゃって実現できない企画 こじんまりまとまっちゃってる企画、着眼点は面白くても実現を考えると片手落ちの企画などは、なかなか上位には入れません。
第7回は2361点の応募だったそうです。 審査工程が例年通りだとすれば、その2361点を、まずは一次審査員が約100〜150点ほどにふるい分け。ここに残れば販促会議の紙面に名前が載ります。 それら通過作品を、今度は最終審査員が約50点に厳選します。 残ればファイナリストとなり、Webでの企画書公開、販促会議紙面での企画書と名前が掲載。 ファイナリストの中から、最終審査員が改めて審査してグランプリが選ばれます。 (グランプリの他、ゴールド、シルバー、協賛企業賞の各賞もあり)
繰り返しますが、企画書は10ページまでです。これには表紙も含まれます。 1ページでも超えていたら失格です。
まず、表紙。 そして最後の締め(オチ)の1枚。ここまでは確定。残り8枚。
次に、企画をドーンと出す1枚。これで残り7。 その企画説明で1~2枚。残り5。
あとは、前振りというか企画に対する想いについて。 枚数が限られてくるとついついケズりたくなってしまうパートですが 審査員は応募された企画書を大量に一気に読むだろうことを予想して 読み飛ばされないよう、理解されるよう、 充分にこちらの世界に引き込んでから企画内容を伝えたい。 そう考え、思い切って3枚使いました。タメてタメてドン!と出す。
※最初は2枚だったのですが、どうにもテンポが悪くタメが足りなくて3枚にしました。
結果として、10枚制限なのに5ページ目でようやく本題に入る。 そんな企画書となりました。
どうやって実現するか、そしてそれは楽しいのか(P.7)
なんとなくこういうものがあったらいいな。ということだけでは企画にはなりません。 どうやって実現するか。どういう部品があって、どういう技術を使って実現するか。 そこまで詰めてこその企画です。
乾杯クラッカーの場合、「どうやって音を鳴らすか」がそれにあたります。
ホントにクラッカーを仕込むことができないか。でも乾杯の動作でどうやって紐を引っ張るか。 もう少しITっぽくスマホから鳴らすか。いや、仮に鳴らせたとしても肝心の乾杯のときにグラスとスマホは離れている。缶に注目してるのに別の場所(テーブルの上とかポケットの中とか)から音が鳴っても面白く無い。 どうにかして缶付近から鳴らしたい。そういえば開封するとメロディーが流れるメッセージカードがあるし、似たような方法で実現できないか。
何人かの方に相談して意見をいただきながら こんな経緯で詰めていきました。
はじめは楽しさ重視で考えたあと、実現性を考えて形を変化させると 楽しさが減っていくこともよくある話です。 しかしそれでは本末転倒。 大変ですがこだわりは忘れずに
乾杯クラッカーでは、友だち同士でわいわい飲んでいるシーンを想像していました。 買い出しで見つけてもらって、まだ酔ってない最初の1杯から歓声が上がる。 そのあとは自然と盛り上がって、、、
そんな場に乾杯クラッカーがあったらどうなるか。 最初の乾杯のシーンだけでなく、解散するまで。
これを想像したときに、「自分の缶を見失う」ことが防げることに気付きました。
じゃぁ、絵柄を10パターンくらい用意して、、、いや、違う。 せっかくの飲み会なんだからそこも楽しく落書きだろう。そのほうが盛り上がる。 紙製品にして落書きだ。
この企画をどうやって広めるか。 買ってもらうのか、おまけで付けるのか、抽選で当たるのか
このコンテストでは、実現性が重視されていますので とても重要なことです。 これがあるのと無いのでは説得力は雲泥の差ですし、 そのまま関係者に話をしにいって納得されるような方法であるほうがベストです。
今回は、買い出しに行って見つけてもらって、その直後に使って欲しかったので ベタ付けという方法を採用しました。
さらに重要なことが売り場での陳列です。 商品にベタ付けするということは、その分スペースをとることになります。 安易に行うと、売り場に陳列することができず企画倒れになるかもしれません。 だからといって特別なスペースを用意してもらうことも大変ですし、長期間の確保なんてまず不可能です。
それを考えると、既存の棚のままムリなく陳列できる方法にすることは必須でした。
その結果、350ml缶、500ml缶、6本ケースという商品の大きさの差を利用することにたどり着いたのです。
これは筆者が企画をするうえで、常に心がけていることです。
アプリを使えば、こういうセンサーを使えば、クーポンを配って、投稿してもらって、、などなど、 施策から思考が開始してそのまま終わってしまう事を良く目にしますが それは企画ではありません。施策を考えているだけです。 もし実行できたとしても、盛り上がったり成功する確率は低いはず。
どういう世界を作るのか。その場をどういう雰囲気で包むのか。 どんな感情をもってもらうのか。どんな会話をしてほしいのか。
もちろん、発想のキッカケとして、施策から始まることもあるでしょうが 早い段階で世界のことを考え、それを土台とするべき。 その土台があるからこそ、企画が良い方向に広がっていくのであり もし違った方向に進んだときにも、これを振り返れることで気付くことができる。