拡張された認知 (extended cognition)
認知は拡張されたものであるという考えが意味するのは、環境、特に物質的、象徴的(シンボリック)なリソースや道具は、単なる認知の外的な足場であるだけでなく、脳や他の身体と適切な形で結びつけられる場合、それ自体が認知の一部でもあるということだ。
哲学者のひとり、アンディ・クラークは次の例をあげる。計算に熟練した会計士は、数字を生物学的な短期記憶にとどめるよりも、作業中に数字をメモ帳に書き写すことによって速く正確に問題を解くことができる。クラークの主張によれば、会計士のメモ帳は計算のための単なる道具や補助ではなく、生物学的記憶に勝るとも劣らない認知活動の一部として適切に機能しているのである。
— 『仏教は科学なのか 私が仏教徒ではない理由』(Evan Thompson著、藤田一照監修、下西風澄監修、護山真也訳、Evolving、2024, ISBN 978-4908148279) p.191

















