もし七夕様への願い事がかなうなら、この際一つだけお願いしておきたいことがある。それは、二人の二〇世紀哲学者が犯した過ち、すなわち自分たちの哲学の最も重要なコアの部分に、歴史に関わる言葉を一言たりとも交えなかったという過誤を、来るべき世代の哲学者の皆さんが 「他山の石」として二度と繰り返されないように、というお願いである。ここで言う二人の哲学者とは、誰あろう、J・L・オ ースティン(私が問題視しているのは、彼の言語行為論ではなく、 日常言語の意味のニュアンスを説明する彼の詳細な分析なのだが)と、 ルートヴィヒ・ヴイトゲ ンシュタインである。
イアン・ハッキング「歴史的存在論」『知の歴史学』岩波書店、p.61
七夕の原語は何なん
















