前編では職務質問の原点に戻り、事前に知っておきたい権利と対応、いざ警察官に声をかけられたときの対策…について解説しました。職質の関連記事は今回以外にも過去に何度も投稿していますので不足の情報など参考にしてください。
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”逮捕”がリスクと考え、そのリスクを回避または軽減することをゴールにしたとき『職務質問の対象者になったときの対策を考える』ことと『その手前で警察官に声がかからない(ロックオンされない)ように行動する』こととどちらが有効かと考えたとき、僕は後者と考えます。なぜならどんなに事前対策をしても自分が所持しているときに職質されてしまったらその先にある選択を変えることはほぼ不可能だからです。普段持ち歩かない人、逮捕歴がない人が実際に職質をされてしまった場合慌てず冷静に対応できるという保証はないのです。
後編は『職務質問されない=ロックオンされない行動』をテーマに考えていきたいと思います
※ロックオン…英語のLock-on に由来『~に集中する』『狙いを定める』という意味。警察官がパトロール中に不審者や不審車両と思われる対象に声かけや赤色灯をつけるなどして停止を求めること
全ての警察官が薬物事犯を取り締まり目を光られていると思い込んでいる人がいます。重症化するとDJポリスやALSOKの警備員、区役所の巡回パトロールカー(青いパトランプを装備した白黒のツートンの軽自動車)まで脅威に感じその場から離れようとする人まで。
警察組織は本部も警察署も刑事部、地域部、生活安全部、交通部、警備部、総務部、警務部の7つの部(課)で構成されています。このうち薬物事犯を取り締まっているのは地域部のみ。職質の神と呼ばれる自ら隊も、交番のオマワリもチャリ松も全て地域課の警察官です。刑事部もでしょ?と思うかもしれませんが、刑事部の仕事は”捜査”(すでに起きた事件の捜査)で取締とはまた意味合いが変わってきます。
刑事部の仕事の一つに内偵捜査がありますが、内偵捜査を回避する方法など存在せず、あるとすれば『薬物から手を引くこと』一択。
警察は典型的な縦割り構造で幹部から末端の警察官まで指揮命令などトップダウンには想像以上の力を発揮しますが、自らの部署の手柄を優先するあまり横の連携が円滑にいかなかったり、管轄外の任務のことには極力関わらないようにする風潮 が自ずと強くなります。勿論、社会的な影響が大きい事件などは例外です。
例えば交通取り締まりを行う交通課が切符を処理するついでに車内検査も行い薬物の所持を確かめるということはありません。理由は専門外の者が直感で動いて目論見がはずれたときに、専門の部門に迷惑をかけ取り返しのつかないことになるのと、仮に目論見通りでも手柄の分配で専門部門ともめるからです。地域の自動車警ら隊が職質目的に交通違反者に声をかけることはありますが、その逆はないのです。
つまり所持しているとき使用後に交通違反をして交通機動隊の面パト(覆面)に停止命令を受けても、不安や動揺する必要も逃げる必要もなく免許見せて堂々と切符を切られたらパイ(終了)。免許の照会もしません。
街で白黒ツートンのPCと鉢合わせになったとき、そのPCが薬物事犯を取り締まるPCか?そうでないのか?誰でも一瞬で簡単に見分ける方法があります。知っていて損がないので覚えておいてください。
資料3
上の左側の写真に注目してください。赤色灯の下に白い台座があると思います。フロントガラスの上部車両の屋根の最前部に取り付けされている赤色灯の台座に見えるものです。実際これは赤色灯を支えている台座ではなく、赤色灯を支えている昇降機の土台を隠すためのものですが、
●台座があるのが地域課(部)のPC
●台座がないのは、地域部以外の警備部、交通部、機動隊などで薬物事犯の取り締まりは行わないので警戒対象から外してOK
資料4:
上の右側の写真。赤色灯が昇降機によって上がっている状態を『扱(あつか)い中』といいます。これは事故や事件などを扱い中であることを周辺の一般車両に注意を促しているものですが、別の見方をすると、現在、別事案を取り扱いに集中しているため、新たなターゲットである職質対象者や不審者等を探している状況にないということ。警戒対象から外してOK
ここまで選別ができるだけでも、これまで対象を絞り切れなかったことによる無駄な心配や怯えから解放されるはずです。
また警視庁はPCでパトロールを行う際は歩道寄りの車線を時速10~15kmで走行するように指導していますが、これはかつて警視庁が独自に研究したところ犯罪者(不審者)が心理的に最も動揺したのがこの速度だったからです。
また職務質問を武器に犯罪を暴く地域部が街をパトロールをするときに使用する車は"無線警ら車"と呼ばれる白黒ツートンのPCと決まっています。基本地域部は覆面PCは所有していません。それは"不審者"を暴くには、不審者をビックリさせる必要があり、その目的を達成するには"無線警ら車"が最も効果があるからです。
警察庁監修の職務質問技能教本には『警察車両や警察官と鉢合わせたときの前と後で、目の動きや挙動、表情、行動に変化があった人物を対象とせよ』と記載されています。つまり職務質問でロックオンされる人というのは、警察が仕掛けた『どっきり〇秘大作戦』に本能のままに反応し、警察が描くシナリオ通りにビックリした素直な人。自動車警ら隊は『不審者を見逃さない職務質問のプロ』ではなく『ビックリした人の些細な動作を見逃さないプロ』なのです。
人間にはもともと「自己保存本能」という機能が備わっています。自分の立場が危ぶまれたり、自分に都合が悪い状況になると、それを隠そう、逃げようとする本能が備わっています。何か負い目があってそれを暴く脅威が目の前に出現したとき、本能的に視線をそらしたり、その場から立ち去ろうとするのは、機能的には自然な動作です。
警察オタクだった僕の場合、PCが視界に入ると「アッ!」ではなく「おぉーーー!」というリアクションになります。これは演技ではなく本能的なごく自然な反応です。対象が激レアなら窓をあけて助手席のオマワリに写メを撮ってもよいか?と許可までとって撮影します。
言うまでもないことですが犯罪を犯した者、これから犯罪を犯そうとしている者、あるいは発生した犯罪への関与が疑われる者は絶対にこういう行動はしません。その場から一刻も早く立ち去りたい、不安・恐怖から表情はたちまち険しく無意識に足早になったり、方向転換するほうがむしろ自然な動作です。
事実、僕はこれまで職質されたくて、自ら不審者を演じ警察を誘導し、願いとおり職質された…ということは何度もありますが職質されたくないときに、不意打ちを疲れ職質されたことが一度もありません。
このことからわかるように職質されない体質にするには、まず犯罪者の心理とは真逆の行動をすることが肝心です。目をそらすのではなく、目を合わす。逃げるのではなく接近する。うつむかないで正面を見る。ただし行き過ぎはいけません。パキパキの強面でギンギンに瞳孔が開いた目で警察官を凝視するのはかえって逆効果です。本能に逆らって行動するには、それ相応の訓練と場数を踏むことが必要です。しかしそれらの訓練を積めば積むほど「こうすれば捕まらない」という自信が芽生え、それ確固たる意志があなたを守ってくれます。
資料5:
コールサインとは無線の通話コードのこと。コールサインが読み取れるようになると、その車両がどこの所属で、どの程度の技量をもつ警察官が乗っているのか?脅威レベルまで瞬時に把握できるようになります。PCと遭遇したときにコールサインを見る癖がついていると『あっ、警察だ!』と本能的に視線をそらすことがなくなります。
このタイミングがまさに警察が不審者を見定めるための観察に集中している瞬間。この時に興味の眼差しで警察車両を見ている人は、そこで職質対象者から外れるので、結果ロックオンされずに やり過ごせます。
警視庁を例に職質技能が低い順に並べます。
『新宿7』
…所轄地域課のPC(漢字(地名)=管轄署の名前。職質技能は高くないが歪んだ正義感と若さゆえ粋がっている感情任せのオマワリが多くTouTubeなで暴発している様子が公開されている。そういう意味ではは脅威。
数字3桁『1xx』『2xx』『8xx』『9xx』
…職務質問が主な任務とする自動車警ら隊(通称:自ら隊)は管轄にとらわれず広域で警らを実施ー警察本部地域部に属する本部直轄部隊で我々がもっとも警戒すべき相手です。警視庁は
1自ら(イチジラ)=第一自動車警ら隊/1自らは23区内新宿以南
2自ら(ニジラ)/23区内の新宿以北を管轄
8自ら(ハチジラ)/第8方面自動車警ら隊
9自ら(🐋クジラ)第9方面自動車警ら隊 の4隊で都内全域を管轄。自ら隊だけで117台のPCを配備
地域指導・遊撃
自ら隊よりも卓越した職職質技能を有する警察庁指定広域技能指導官が乗務する車両が上記2つ。本部直轄の専門部隊が地域指導と遊撃特別警ら隊。自ら隊や所轄地域課の指導役でもあり「職質の神」とも言われます。
令和2年度版の警察白書に興味深いデータが掲載されています。『覚醒剤で検挙された人が何がきっかけだったのか?』。それによれば、
”職務質問がきっかけで逮捕” 40.9%
ガサ入れがきっかけ 20.9%
通常逮捕 20.9%
(共犯者の供述などから事件化され捜査の結果、容疑が濃厚になって逮捕)
つまり覚醒剤で逮捕された人の40%は職務質問がきっかけで逮捕されているという事実。所感ですが、一度職質で捕まった人はしばらくしてまた職質で捕まる傾向が強いように感じます。
不思議なのは職質で逮捕された人は、ほぼ全員、まさきに同じことを口にします。『運が悪かった…』確かに運が悪いのは否定はできないけど、原因はそれだけはないはず。見た目がポンチュウぽかった、夏なのに長袖を着ていた、つい逃げてしまったなどロックオンされた理由が必ずあるはず。そこに触れることなく「運が悪い」でかたずけてしまう。
真の原因に目を向けず失敗を教訓として活かさなないから、本人が気づいていない同じところに着目され職質され、対策もしていないからまた同じように捕まる…そういうという構図だと思います。
全国の警察官の共通認識として「職質で捕まるヤツはうかつな悪」と言われています。申し訳ないけど僕もそこは同じ想いです。職質で捕まっているのビギナーだけでなく、本来であれば職質に一番知識があって一番ノウハウがあるであろうプッシャーでさえ日常的に捕まっているのが実態。そこにリスクがあることは分かり切っているのに、なぜそれに対する知識を深めず、対策も講じず、振り返りもせず、あえて危険な行動をなぜとるのか?僕には正直理解ができません。
「薬物事犯は社会害だから逮捕して当然」という大義名分のもと警察庁を筆頭に各都道府県警察が総力をあげて薬物事犯の検挙は行われているのは周知のとおりです。現場の警察官にノルマを課し、達成すれば特別評価を与える。まるで”魔女狩り”。警察には評価ポイント獲得のエジキにされ、厚生労働省には”異常なモンスター”に仕立て上げられ、プロパガンダで洗脳された思考停止中の国民や社会からは問答無用に排除される。こうした薬物使用者への扱いは国際的にみても著しく不当な人権侵害ですが、その上さらに警察官の評価ポイントのために、私たちの人生を犠牲にすることにどのような意味があるのでしょうか?
今回のゲッカンの実施期間は6月1日~6月30日まで!え?もう終わりやーーん!しかし後半終了間際になっても検挙ノルマに達成していない警察官は今頃から暴挙にでます。「とにかく何でもいいから検挙しないと…」ほぼ半狂乱のような状態で追い詰められた警察官が取る最終手段『大型パチンコ店付近での職質です。店から出てきた客を片っ端から職務質問し所持品検査でポケットからスロットコインやパチンコ玉が出てきた者を窃盗の現行犯で逮捕するのためです。法律上スロットのコインやパチンコ玉は客が購入したものではなく、店が客に貸与している物なので、店舗に許可なくコインやパチンコ玉を店外に持ち出した場合は"窃盗罪"が成立。嘘だと思いたいところですが残念ながら本当です。
国内違法薬物乱用者100人のうちの年間1人が逮捕されています。ほんの少しのことを意識するだけで、この1%から外れることが可能です。無知で無策、直感で行動することが一番のリスクです
正しい情報にもとづいて培った知識ともとに賢く行動すれば、役人以外誰も得することのない災難に合わなくて済む。
次のゲッカンも11月1日~30日に控えています。
自分の身の安全は、自分で守るしかないのです。