“「要件定義書としてデータモデルという図面をまとめる必要があります」「データモデルですか。聞いたことはあります」「どんなデータモデルが必要でしょうか?」「えーっと、よくわかりません」「困りましたね。自分たちの情報システムなんですから、それなりのデータモデルは決めてもらわないと」「そうはいっても描いたことないし」「では我々が代理でまとめますから、検収(評価)してもらえばその通り作ります」「わかりました」 代理で作られたモデルは粗悪なデッチ上げなのだが、その妥当性を顧客は評価しようがない。後で行き詰ることが目に見えているが、要件どおり実装して満足できない場合の責任は、モデルを含めた要件定義書に検収印を押した顧客側にある。なぜなら要件定義書は「我々(顧客)が欲しいものの定義」だから。図面どおりに組み立てた飛行機が墜落しても、その責任は図面を検収した顧客側にあるという論法だ。訴訟対策なのかどうかは知らないが、あまりに無責任なやり方ではないか。 このようなスタイルで要件定義に進出するベンダーは、主にメーカー系の大手SIerに多い。COBOLあたりで動いていた古いシステムの機械的モダナイズや、ERPの導入ばかりこなしたせいで設計スキルが空洞化した結果である。なにしろプロパーの多くは簿記のデータモデルさえ描けない。航空力学を知らない航空機技術者みたいなものだ。”
— 基本設計から逃げるための手法:要件定義とアジャイル - 設計者の発言

















