Urei LA3A その2
今回 LA3A を買ったのは初めて利用する Reverb ショップだったので、買うにあたってはかなり慎重になりました。自分は初めてのネットショップで、おっ!と思って即ポチ的な買い方はやりません。どんなお店なのか分からなければ、とにかく中の写真をちゃんと見て、ノイズなど発生していないかのメッセージでのやり取りから、あとはスペックやら製造年やらも色々調べました。ですが、ChatGPT も Google Gemini も、こういうデータベース系の事実列挙では殆ど役に立たないのを痛感しますね。対話型の AI は、単語の羅列から推論・関連付け・再構成に強みのあるツールなので、データベース的な使い方ではどうしても力を発揮しません。
仕方なく自分で調べていくと、LA3A に関しては時代ごとに音のキャラクター差があるという話はほとんどなく、1969年から1981年までの間の物なら “大体一緒” という理解で間違ってはいなさそうなのです。1176 のようにシリアルから製造年の特定が可能で、その revision 毎の音の違いに血道を上げる的な物とは、どうやら別のようです。ですが、そういう頭で Reverb に出品されている LA3A の写真を見ていても、やはり76年以降の物からオーラのようなものを感じません〜、などと思ってしまうのです。自分は相当何かを拗らせているようです。買うならやっぱり70年代初期ですよ、という根拠のない思い込みが強くなっていく自分に、ちょっと呆れてしまうのですけれども。
あまり意味はなさそうと、理屈では分かっていても、それでも LA3A の外観の違いを言えば、Urei のロゴがパネル上部の真ん中にあり、Teletronix 表記のあるものが前期、Urei ロゴが左上に移動して Universal Audio 表記になっているものがそれ以降、という感じ。色々な個体をネットで見ていると、73年までが Teletronix 表記の物で、74年くらいからが Universal Audio 表記になっているぽいです。中身はと言いますと、それですっぱりと分けられる感じでもなく、73年製造のTeletronix 表記の個体に入っている input用、output用、opto cell用のそれぞれのトランスが、74年製造の物にそのままセットで入っていたりしますので、外観やシリアル番号で中身の仕様を判断はできなさそうです。トランスなどは後に交換修理がなされている事もあるでしょうし、交換する際に、わざわざ古い方のトランスを持ってきて付けた、というリペアがされた可能性だってあると思います。そういう意味でも、時期や仕様にこだわるなら外観とシリアル番号だけではなく、中身も確かめてみるしかないでしょうね。もちろん、音質的な部分で得られる物は何もなさそう、という前提で。
電源トランスは Teletronix 期と Universal Audio 期の物で、おそらく分けられる様な気もしますが、それも凡その感じと思われます。ただ、電源トランスは75年以降の黒いカバーの付けられた物は、本体に電源を供給する方のケーブルが、それ以前の物より太いケーブルが出ているのです。74年までの電源トランスから出ているリード線は、細いです。かなり頼りない感じのゲージなので、それがどの程度音に影響するのか色々調べて回ったのですが、これも結局何も見つかりませんでした。LA3A 自体、それ程大きな電気を使う物ではなさそうなので、電源ケーブルのリード線ゲージで音が大きく変わることもないということなのでしょう。
LA3A が製造されていた全期間(リイシューは除く)で input トランスは2種類、output トランスは3種類、opto cell 用も3種類、電源トランスも3種類ある感じです。それでも、それらの違いについて語られているフォーラムや記事を見つけることは、ついにできなかったのでした。なので、おそらく音のキャラクターとしても、それらに大きな違いはないのだと思われます。
ここまで調べておきながら、おそらく input トランスが前期物、output 用、opto cell 用も前期物、電源トランスが中期物、という組み合わせを見て反応してしまうという。そんな写真を見てしまうと、これはきっと70sな音の個体に違いない、という盲目的な思い込みで買ってみたくなる的な、そんな感じは正直ありましたでしょうかね。まあ、気分に支配されているのもいかにも凡人らしく、それが自分なんでしょうと。(と、書いた後から Reverb で SMI 製の UREI 仕様のトランスと、 input トランスに UTC が搭載された本当の初期 LA3A が出品されていたのも見つけ、これが前期物になると思われ、自分の買ったのは73年〜74年の中期仕様の物という事になります)
無事に我が家に到着した後、ヴィンテージ専門業者の所で診てもらって問題ない、とのことでしたので、opto cell だけ新品の物に差し替えて使っています。現状、十分70sなドリーミーな音が鳴っており、大満足なのですが、他と比べてどうなの?と言われてもさっぱり分かりません。YouTube を見ても、ウチにやって来た LA3A と大きく変わらない音が鳴っています。基本、音の違いはセッティングの差と言える範疇だと思われます。
音の感じを調整する所は3箇所で、一つ目は input トランスに入れる信号の量、二つ目はリダクションの量、三つ目がリダクションが効いた後の信号を、output トランスへ送る量です。input トランスへ入れる信号の量は LA3A 本体では決められませんので、ウチの場合、DAW で設定します。output トランスと input トランスの歪み方はそれぞれ別で、そのニュアンスで土臭い雰囲気から都会的な雰囲気まで、かなり良い感じで調整できたりします。そうやって LA3A で乗せた倍音をヴィンテージのスプリングリバーブなんかに送ると、これまたトロけるような70sサウンドが作れたりして、ホント素晴らしいですよ。
で、この感じが78年製の物でも出せるのかどうかは、あんまり知りたくないかもしれませんね。















