2026年7月15日

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2026年7月15日

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2026年7月14日
2026年7月12日
2026年7月10日
2026年7月9日

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2026年7月7日
2026年7月6日
2026年7月4日
NHKのニュース現場 強固な縦の統制、恩恵は誰に(朝日新聞 多事奏論 田玉恵美 編集委員 7月4日)
ネットフリックスの創業者が書いた本を読んでいたら、引用されたサンテグジュペリの言葉が目にとまった。
あなたが船をつくろうと思うなら 太鼓をたたいて人を集め 木材を集め 仕事を割り振り 命令するのではなく 茫洋とした 果てしなく広がる海に 恋いこがれる気持ちを 教えよう
組織運営の妙味を伝える名言として、有名な一節らしい。良くも悪くも、この対極にあるのがNHKではないか。
ここで前にデモの放送が中止された経緯を書いた。取材中に定例会見で質問した際、報道担当の役員はこう発言した。
「大衆討議みたいなことをしてオーダー(放送する内容や順番)を決めることはできません。朝日新聞さんでも、1面トップに何を持ってくるのか、大衆討議はされていないと思うんですけれども」
聞いて首を傾げた。朝日新聞は「大衆討議」に近いことをやっているからだ。
私が文化部デスクだった頃、毎日午後に朝刊の内容を議論する会議があった。
出席するのはその日の当番編集長のほか、政治部や経済部、社会部など各部のデスク、記事を組む編集センターのデスクなど。大阪、福岡、名古屋もリモートでつなぐため、50人ほどの規模になる。
「1面には政治部のこの記事ではなく、科学部のこちらの話題を載せるべきでは」と社会部が発言したり、「大臣がこんな発言をしたらしいが、書かなくて良いのか」と文化部が質問したりする。
部の垣根を越え、何をどう報じるか皆で話し合う場だ。議論して1面トップが変わることもあれば、編集長が信念を貫くこともある。今はデジタル展開を重視するようになって少し会議のやり方が違うが、基本的な姿勢は変わっていない。
この話をするとNHKの人たちは一様に驚き、口をそろえる。「うちには開かれた場で議論するカルチャーはない」
NHKでは番組ごとに編責(編集責任者)がいて、実質的に一人でオーダーを決める。各部と個別に話はするが、判断理由を公に説明したり、異論を募ったりする場はない。各部がよその部の仕事に言及するのも「越権行為になるので、ありえない」(中堅幹部)そうだ。
さらに編責たちは「編集権は会長にあり、編責にはその権限が『分掌』されている」と釘を刺されている。上層部から指示があったら従え、というわけだ。
外野からの無責任な介入を防ぐといった意味があるのかもしれない。ただ民放キー局の様子を聞くと、ニュース番組の内容を決める手順は、どこも朝日新聞に近い。NHKの仕組みは独特に思える。
NHK職員の労働組合が6月末に出した機関誌に、こんな記述があった。
賛否があるテーマを扱うときに上層部から「取材すること自体がリスク」と言われたり、一方的に放送日の延期を言い渡されたりする事案が起きている――。
現場の納得感なく物事が進むと、報道を躊躇する雰囲気が蔓延しかねないと経営側に伝えたという。経営側は「リスク管理の観点から全てを情報共有するのが難しい面がある」などと応じたそうだ。
現場で広く議論したからといって完璧な報道ができるわけではないだろう。それでも、異なる価値観を持つ人間が意見を出し合い、組織として視野を広げ、正解にたどり着こうと努力する。そこには小さくない意義があるように思う。
縦の統制が強固で、横の牽制が利かない。NHKのこの構造によって恩恵を受けているのは誰なのかと考えてしまう。
2026年7月3日
【速報】自衛隊・制服組トップが“異例”のXアカウント開設 現役統幕長のSNS開設は初(TBS NEWS DIG Powered by JNN 7月3日)
自衛隊・制服組トップの内倉浩昭統合幕僚長がきょう午後、個人名義のSNSアカウントを開設しました。現役の統幕長が個人名義でSNSを運用するのは初めてのことです。
内倉浩昭 統合幕僚長 「(自衛隊の情報を)よりタイムリーかつ分かりやすく発信することで、自衛隊の活動への理解と関心を深めていただくことを目的としています」
内倉統幕長はきょうの会見で、SNSアカウントの開設に先立ち、「国民のみなさまの理解を一層深めることにトライしていきたい」と話しました。
一方、防衛省・自衛隊のSNSをめぐっては、既に防衛省の公式のものがあり、全国の陸・海・空それぞれの部隊でも運用が行われていることに加え、先月、安居院公仁報道官も個人名義のアカウントを開設しています。
こうした“飽和”状態について、内倉統幕長は「相互に補完しながら理解の促進に努めたい」としたうえで、「関係者と協議・調整をしながら、適切な発信をする」としています。
現役の統合幕僚長が個人名義でSNSアカウントを運用するのは、過去に例のない“異例”のことです。
ピザ1枚いくらで買える?…「物を買う力」測る実質実効為替レート、「円」は半分程度に低下(読売新聞オンライン 7月3日)
実質実効為替レートの低下のイメージ
Q 外国の通貨に対して円が強い、弱いを測る指標は。
A 対ドル、対ユーロなど2国・地域間の通貨の名目レートが一般的だ。幅広い国・地域との為替レートに貿易量を加味し、物価変動の違いも調整して計算する「実質実効為替レート」という指標もある。この指標は国際決済銀行(BIS)や日本銀行が公表している。
Q どのような形で強弱が示されるのか。
A 2020年の数値を100とした指数となっている。数値が下がるほど、外国のモノやサービスの価格が国内価格よりも割高になり、外国との取引で円の買う力(購買力)が弱まることを意味する。逆に数値が上がれば、買う力が強まっていることになる。
例えば、条件を単純化し、40年間で日本の物価が1・5倍、米国の物価が3倍に上昇したとする。名目レートが40年前と同じであっても、実質実効為替レートでみれば、円の買う力は半分程度に低下したことがわかる。
Q 前回1ドル=162円台をつけた1986年12月と直近、今年5月の実質実効為替レートは。
A 86年12月は141・77、今年5月は65・93で、円の買う力は40年間で半分以下になっている。
Q 円の実質実効為替レートが低下した背景は。
A バブル経済が崩壊した1990年代以降、物価が継続的に下落するデフレが長期間続いたことが大きい。この間、米欧の主要国では物価上昇が進み、内外の価格差が広がった。2013年以降は日銀が大規模な金融緩和策を実施したことなどを背景に名目レートでドルなどの通貨に対して円安が進んだことも、実質実効為替レートの低下に拍車をかけた。
Q 円安は悪いことなのか。
A エネルギーや食料を輸入する日本では、輸入品が値上がりし、企業や家計の負担が増す。一方、海外からの旅行者が日本の物価を安く感じて消費額を増やしたり、日本の輸出企業の海外市場での価格競争力が高まったりする利点もある。(岡田実優)
2025年分の国会議員の平均所得3003万円 前年から490万円増加(日テレNEWS NNN 6月30日)
衆議院と参議院は2025年分の国会議員の所得を公開しました。公開の対象となったのは、去年1年間を通じて在職していた、衆議院議員293人と参議院議員178人のあわせて471人です。
議員1人あたりの平均額は3003万円で、前の年から490万円増加しました。
所得が最も多かったのは、自民党の中西健治衆議院議員の11億4015万円で、株式の売却や配当金などによる利益が大半を占め、4年連続のトップとなりました。
与野党9党首では、自民党総裁の高市首相が3641万円でトップでした。一方、野党のトップは、国民民主党の玉木代表で、2882万円でした。(※金額は1万円未満を切り捨て)
2026年7月2日
【速報】在留許可手数料の“改定案”明らかに 在留期間に応じ1万~7.5万に“大幅引き上げ”永住許可は20万に 入管庁(日テレNEWS NNN 7月3日)
日本で暮らす外国人が在留期間の更新などのために支払う手数料について、出入国在留管理庁が現在の6000円から期間に応じて1万円から7万5000円に引き上げる案を明らかにしました。
「在留許可手数料」は外国人が在留資格を変更したり、在留期間を更新したりするときに支払う必要があるもので、現在は一律で6000円となっています(窓口の場合。オンラインは5500円)。
5月に成立した改正入管法ではこの手数料の上限を引き上げ、具体的な金額は政令で定めるとしていましたが、入管庁は3日、在留許可が出た期間に応じて手数料を引き上げる改定案を明らかにしました。
具体的には、「3か月以下」は1万円、「1年」は3万3000円、「5年以上」は7万5000円としていて、オンラインで申請した場合は、減額されます。
無期限で在留ができる「永住者」の許可については、現在の1万円から20万円に改定するとしました。
入管庁によりますと、改定案は、在留審査にかかる実費(人件費・物件費など)=1人あたり約1万円と、外国人政策にかかる費用(572億円)を中長期に滞在する外国人数(約291万人)で割ったもの=1人あたり約2万円/年を足し合わせるなどして定めたということです。
一方、難民と認定された人や一部の難民認定申請者など人道上の配慮が必要な人で生活に困窮していると認められる人には減額の措置がとられ、永住許可は2万円まで、それ以外は1万円まで減額されるとしています。
こうした引き上げにより、1年あたり690億円から920億円程度の歳入が見込まれるということで入管庁は「外国人の出入国管理や在留管理にかかる費用などの外国人政策に当てていきたい」としています。
入管庁は、この改定案をことし10月1日にも施行したい考えで、近く一般から意見を募るパブリックコメントを実施する予定です。
インド事業創出2兆円投資、半導体材料の工場設立やAI協業など民間120件協力文書…日印首脳会談へ(読売新聞オンライン 7月2日)
インドに向けて出発する高市首相(1日、羽田空港で)=青木瞭撮影
【ニューデリー=太田晶久】高市首相とインドのモディ首相による2日の会談に合わせ、日本の民間企業が印側との間で約120件の協力文書を交わす見通しとなった。日本側の事業総額は2兆円規模に達し、急成長するインド市場への進出が進むことになる。会談で打ち出す首脳共同声明案も判明し、海洋安全保障やエネルギー安保などを巡る協力深化が盛り込まれた。
高市首相は1日、政府専用機でニューデリーに到着した。就任後初の訪印となる。首相は出発前、記者団に対し、日印の経済安保協力の推進や技術革新を巡る連携などを訪印の重点事項に挙げ、「官民一体となって日印協力の裾野を広げ、強い経済の実現を目指したい」と語った。
政府関係者によると、今回の合意案件には、富士フイルムによる半導体材料の工場設立の協力や、自動車メーカー・スズキによるバイオガスプラント計画などが含まれる。日本の人工知能(AI)の新興企業がインドの国産AI企業とアプリ開発で協力するなど、幅広い業種で協業を進める。
日印は昨年、首脳間で対印民間投資を10年間で10兆円にする目標で合意しており、今回の2兆円規模の事業はその一環となる。
一方、共同声明案では、昨年の合意内容を再確認した上で、経済安保など喫緊の課題を中心に「日印の相互補完的協力を推進」すると訴えている。高市首相が掲げる「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」構想の進化も歓迎するとした。
安保分野では、海洋安保協力の進展に加え、日本が4月に防衛装備移転3原則と運用指針を見直したことへの評価を表明する。日印の外務・防衛閣僚会合(2プラス2)を年内に開催することも盛り込んだ。
レアアース(希土類)の輸出規制を各国にかける中国を念頭に、経済的威圧や非市場的政策への深刻な懸念も明記した。エネルギー安保では、備蓄を含むエネルギー供給力の強化に向けた協力を進めるとした。
インドでのビジネス環境の改善や中小企業などのインド進出も支援すると記した。JR東日本が開発中の新型新幹線車両「E10系」のインドでの導入に向けた協力の推進もうたった。
科学技術協力を巡っては、「AIを含むイノベーションの促進が、協力の基盤をさらに広げる上で極めて重要だ」と強調した。

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2026年7月1日
2026年6月30日
誹謗中傷動画めぐる高市総理の対応「納得できず」51%、内閣支持率65.9% 先月比マイナス4.1ポイント JNN世論調査(TBS NEWS DIG Powered by JNN 7月5日)
自民党の総裁選挙などで高市総理の秘書がかかわったと報道されている他陣営への誹謗・中傷動画をめぐり、これまでの高市総理の対応について51%の人が「納得できない」と答えたことが、最新のJNNの世論調査でわかりました。
高市内閣を「支持できる」という人は、先月の調査より4.1ポイント下落し、65.9%でした。一方、「支持できない」という人は3.4ポイント上昇し、30.8%でした。
「社会保障国民会議」で、自民党は、来年4月から2年間、食料品の消費税を8%から1%に引き下げる案を示しました。この案に▼「賛成」は55%、▼「反対」は35%でした。
自民党と日本維新の会は、衆議院議員の定数をめぐり、与野党の協議会で1年以内に結論が出ない場合、「比例代表の定数を45削減する」法案を提出しました。この法案に▼「賛成」は58%、▼「反対」は22%でした。
与党側の国会運営に反発した野党が、委員会や本会議を欠席する状況が続いています。この野党の行動に▼「理解できる」は「十分」と「ある程度」をあわせて27%、▼「理解できない」は「あまり」と「全く」をあわせて71%でした。
皇族の数を確保するため、政府はいまの国会で皇室典範を改正することを目指しています。いまの国会での法改正に▼「賛成」は24%、▼「反対」は27%、▼「どちらとも言えない」は46%でした。
自民党の総裁選挙などで高市総理の秘書が、他の陣営を誹謗、中傷する動画の作成にかかわったとの報道をめぐり、高市総理は、「秘書の陳述書を国会に提出する」などと答弁しています。これまでの総理の対応について▼「納得できる」は43%、▼「納得できない」は51%でした。
選挙期間中のSNSでの誹謗・中傷動画などの拡散を防ぐため、事業者が投稿者への「報酬の支払い」を停止することを法律で義務づけるべきかどうか聞いたところ、「義務づけるべき」が60%にのぼりました。各党の支持率は以下の通り。
自民 32.3%(3.2↓)
維新 3.2%(1.2↑)
国民 2.7%(1.2↓)
中道 4.5%(2.6↑)
立憲 1.4%(2.0↓)
参政 3.9%(0.3↑)
公明 0.9%(1.4↓)
みらい 1.4%(0.4↑)
共産 2.2%(0.2↓)
れいわ 0.5%(0.8↓)
保守 1.0%(0.1↓)
社民 0.2%(0.2↓)
その他 0.2%(0.8↓)
支持なし41.8%(3.9↑)
【調査方法】JNNではコンピュータで無作為に数字を組み合わせ、固定電話と携帯電話両方をかけて行う「RDD方式」を採用しています。7月4日(土)、5日(日)に全国18歳以上の男女2959人〔固定822人、携帯2137人〕に調査を行い、そのうち35.0%にあたる1037人から有効な回答を得ました。その内訳は固定電話463人、携帯574人でした。
インターネットによる調査は、「その分野に関心がある人」が多く回答する傾向があるため、調査結果には偏りが生じます。より「有権者の縮図」に近づけるためにもJNNでは電話による調査を実施しています。無作為に選んだ方々に対し、機械による自動音声で調査を行うのではなく、調査員が直接聞き取りを行っています。固定電話も年齢層が偏らないよう、お住まいの方から乱数で指定させて頂いたお一人を選んで、質問させて頂いています。
白鳥浩(法政大学大学院教授/現代政治分析)解説 高市内閣の支持率が長期的な下落傾向に入ってきている。このところの強引な国会運営が影響しているという見方もある。
それに対して、野党の側での第一党の位置が中道へと変化したことがあげられる。しかしながら、最も伸ばしているのは政党支持なし層であり、ある面での政治への期待が失われていることを示している。
多くの国民にとって、それには経済政策として物価高の進行に対して、必ずしも期待した成果が上がっていないことがあるということはないだろうか。
政権の政策的なプライオリティと、国民が求める政策的なプライオリティの乖離が起こっている可能性がある。
2026年6月29日
2026年6月28日
2026年6月27日

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2026年6月25日
2026年6月22日
なぜ「自民党」はスキャンダルで倒れないのか 政治学者が語る“日本を覆う空虚感”の正体(AERA DIGITAL 6月22日)
France G7 Summitでの高市早苗首相(c)AP/アフロ
スキャンダルが相次いでも揺るがない政権、盛り上がらない選挙。失われた「政局」の熱。いま日本政治を覆うのは、怒りや期待ではなく、どこか乾いた無力感ではないでしょうか。慶應義塾大学法学部教授・片山杜秀氏と気鋭の政治学者・田中駿介氏が対談し、この時代に広がる「空虚感」の正体と、その行き着く先を読み解きます。二人が語り合った最新刊『国家が戦争に向かうとき 昭和10年代に回帰する日本の現在地』(朝日新書)から、一部を抜粋・再編集してお届けします。
■「空虚感」の恐さ
田中 片山先生は、今日の政治状況について、集団的自衛権が容認された頃から「全体主義化した昭和10年代に似ている」とおっしゃっていました。また、自民党政権はモリ・カケ・サクラ問題、旧統一教会問題、裏金問題など、いつ吹っ飛んでもおかしくないスキャンダルが目白押しです。しかし、自民党政権は続いている。こうした政治状況をどう見ていますか。
片山 昔なら政権が吹っ飛んでいるだろうときにも飛ばないで、ずっときている。それは与党が巧妙というよりも、与党にも野党にもギラギラした政治力がないからではないですか。エネルギーが足りない。あるいは、ここでエネルギーを使っても無駄だ、仮に頑張って政権を取っても何もいいことがないと、ニヒリスティックになっている印象です。一生懸命に政治をやってもどうせ良いことはあまりない。そうなると人材も薄くなる。その意味で政治家は衰退業種でしょう。
政治家に限らず、日本全体を覆うこうした空虚感というか無力感が恐ろしい。昭和10 年代の政党政治家もそういう無力感にとらわれて、大政翼賛会という大政党によって盛り返す夢にかけたのでしょう。でもあのときは議院内閣制ではないし、議会政治家のオルタナティヴとして軍人や官僚がいました。国民もそちらに支持対象を乗り換えてしまう手もあった。でも今は議院内閣制です。民主政治とはやはり国政選挙だ。でもそこにワクワク感がない。ワクワクできるのは正体の見えきらぬ新党くらいのものです。「政局」という言葉もワクワク感を失いました。
田中 小池百合子の希望の党に前原誠司の民進党が合流すると大騒ぎになり、民進党の一部が立憲民主党を結成した2017年のあと、「政局」らしい「政局」がなくなった時期が長く続きました。
片山 それからついに「政局」は帰ってきたけれど、日本の政治はもう新次元に突入した。第1章で触れた戦前の社会大衆党に相当するようにも思われる参政党も躍進して、何の前夜かはわからないけれど、これは何かの前夜でしょう。けれども市民に盛り上がりはない。参政党の集会はそうではないようですが。一応、政治とカネの問題で市民は怒っているともいうけれど、怒りが沸騰して欧州のようにデモが頻発するわけでもない。若い田中さんは今の日本の政治状況をどう見ているんですか。
田中 一昔前までの与党は自民党、野党第一党は社会党という55年体制の時代、社会党は解散総選挙のたびに「7条解散は違憲だ」と、ほとんど毎回のように、批判していました。しかし、あるときを境にほとんど言わなくなった。むしろ野党は、支持率低下のタイミングを見て「解散総選挙をやらないのか」という攻め方に転換していったわけです。
片山 同じ穴の狢(むじな)。党利党略。だから既成政党は見捨てられるというわけですね。
■戦前の二大政党制
片山 では政党が見捨てられていった時代の昔話を少ししましょうか。日本で二大政党制が曲がりなりにも実現していたと言われるのは、まあ昭和初期ですね。普通選挙法が出来てからしばらくの間の、政友会と民政党で政権を獲り合った時代です。けれども、政権交代を繰り返してお互いが切磋琢磨してその実をあげて政党政治が確立していったのではなくて、むしろ逆でしたね。選挙をやって支持を集めて政権を獲るとすぐボロボロになる。それで両政党とも壊れてゆく。二大政党が内閣を交互に作る時代は僅か7年ほどで終わりました。
1925(大正14)年に普通選挙(満25歳以上の男子に選挙権を付与した)になってから、二大政党の政権交代は三度ほどありますが、7年後に政友会の犬養毅内閣がテロで倒れると、もう政党に内閣が戻ってこない。以後は挙国一致体制、つまり官僚や軍や財界や政党の有力者が呉越同舟する内閣になって、政党の優位は失われます。政友会と民政党(憲政会と政友本党が合同して成立)は二大政党と言っても保革二大政党ではない。二大保守政党ですね。政友会が地方重視で民政党は都会重視、政友会はアジア寄りで民政党は欧米との協調路線といったカラーの相違はあるけれども、思想が違うというほどのことはない。明治憲法体制を変革したいわけでもない。基本は現状に則るという意味で保守政党です。それでも権力獲得を目的に政治をしているから闘争本能は旺盛です。民主主義のためにはそこは大切なのですが、選挙のときは相手を貶めて、あと、普通選挙法よりも前の制限選挙の時代だと集票の基本は買収ですからね。議会政治は闘争的で汚らしくもあるというイメージは明治期からあるわけです。政党政治家は党利党略のためにカネをばら撒き、平気で嘘を言うんだと。ちょっとした濃淡の差を白黒はっきりついているように大げさに言い立てて、自分に値打ちをつけるんだと。それでお金をもってきて地元の有力者にへいこらする。それが代議士である。
しかし普通選挙になると有権者も増えて買収しきれなくなるから、やはり政策で勝負ということになる。デモクラシーの成熟が求められる。でもタイミングが悪かった。近代日本における普通選挙と二大政党制を組み合わせる試みは世界大恐慌と重なってしまった。日本は先ほど申したように第一次世界大戦後は基本的には不況です。その解決がままならぬうちに世界大恐慌に入る。29年からですね。そんな時期にもろかぶりしたのが普選時代ですよ。容易に抜け出せない暗い時代に入っているのに、良いことを言わないと当選できない。暗いからこそすぐ明るくなりますと言えないとね。代議士ではないですよ。そこで、候補者は空手形を連発する。危機の時代には出来もしない公約が乱れ飛ぶ。これは代議制民主政治の一種の宿痾ですが、するとどうなるか。切羽詰まった民衆の期待を裏切り続けるのだから、すぐ政党は見捨てられる。要するに、日本には二大保守政党が政権交代を続けて国をうまく回せた時代なんてなかったのです。
田中 政友会と民政党の時代には、有権者の階層やイデオロギーとは無関係に集落同士が選挙のたびにどっちに入れるかでもめていた。そういう話もあります。
片山 そうですね。そこが日本の浅さですよ。支持することへの深みがない。アメリカの二大政党が歴史的に持続しているのは、共和党なら共和党、民主党なら民主党のコアな支持層が、天地がひっくり返っても覆らないからでしょう。世界大恐慌は、共和党のフーバー大統領の時代に始まって、フーバー政権は対策として高関税政策で閉鎖的経済を作って、あとは国内経済の自律的回復に委ねようとするけれども、なかなか結果が出ない。ついに選挙で負ける。民主党が議会も大統領の椅子もとる。33年に民主党のルーズヴェルト大統領が誕生して、そのときは下院は民主党が約300で共和党が100くらいですね。これはもう歴史的大敗ですが、世界大恐慌という、アメリカはもう終わりかという事態を招いた責任を問われても、100人当選するのですよ。これがコアな支持層の力なんです。そのあとすぐ取り返していきます。第二次世界大戦の始まる39年の頃だと、民主党が270くらいで共和党は170くらいでしょう。太平洋戦争たけなわの頃にはもっと拮抗する。だいたいルーズヴェルトの政権には共和党も入っている。ふだんは喧嘩しているけれど国難のときは手を携える。喧嘩友達ですか。そのくらいツーカーでないと二大政党制が安定して長続きすることはない。
ところが日本の場合はそこまで二大政党を成熟させる歴史経過がなかった。大正から昭和の時期もそうだし、冷戦構造崩壊後に政界再編と言っていた時代もそうです。理屈で二大政党を考えた。小選挙区制にすればそうなるとか。制度は相応の実態に支えられてこそで、仏作って魂入れずではね。入れたくても入らない制度はあるんですよ。何か根本的に間違っている。日本人は熱しやすく冷めやすい。片方がダメとなったら片方にどうっと行く。そういう行動原理の国民に二大政党は向いていないと思うし、根付かないでしょう。だいたいそんな正当性が続いていると言えるのは、世界広しといえど、ほぼアメリカだけなのですから。ではアメリカは何なのかと言うと、世界で一番豊かで、ひどいひどいというときでも、餓死者が大勢出たなんてことのない国です。世界一うまく行ける国なのです。だからコアな支持層も保てるのです。そこでかろうじてうまく行っている制度が日本でもうまく行くと思えること自体、一種の狂気ではないですか。真似て良いものと悪いものがある。日本では二大政党制は実現しない。してもすぐ終わる。日本は基本は豊かになりきれぬ山国ですからあちこちで割れているのがちょうどいい。大政党も派閥無くして盛り上がらない。良くも悪くも割れていないと。大政翼賛会も強固な一枚岩には程遠かった。まったくそうなれなかった。それが日本の伝統です。それなのに、小選挙区制にしたらよいと言って二大保守政党を目指した。90年代からは本当に無駄な実験をして国を壊したと思いますよ。その果てに今日の昔とすっかり中身の変わった自民党やその他の政党があるわけですが。田中さんは今の保守と称する野党をどう見ていますか。
田中 確かに「イデオロギー」がありません。たとえば、安全保障政策でしたら「日米関係を機軸にする」というところは共産党を除けばほとんど変わりがない。つまり、いわゆるイデオロギーという部分では、与野党の間で、大きな違いは見えにくいわけです。もちろん、共産党だとかれいわ新選組とか社民党とかは違うでしょうが。
(朝日新書『国家が戦争に向かうとき 昭和10年代に回帰する日本の現在地』から抜粋・再編集)
【AERA Books MEMO】
■朝日新書『国家が戦争に向かうとき 昭和10年代に回帰する日本の現在地』
戦争・テロ・天皇・民主主義……戦後秩序が崩れつつある今、歴史からどのような教訓をくみとるべきか。右傾化は何を意味するのか。そして閉塞感を打開する策はあるのか。この国が陥っている過ちの元凶を、政治思想の大家と気鋭の政治学者が読み解いた一冊。