2023.9.7
先日或るドラァグクイーンの方の訃報を知った。初めてその人のステージを観たのは六本木にあったY2Kというライブハウスだったと思う。当時よく聴いていたバンドが主催するイベントだ。15歳の私には、子守唄のような美しい彼女の楽曲に込められた繊細な優しさと哀しさは理解できなかったけど、Edith PiafのL`accordeonisteのカバーが気に入ってシャンソンを聴き始めたりした。私は大学に入ってから自尊心がめちゃくちゃになり、10代の頃の多くのことを暗黒時代としてなかったことにしてしまっていた。そのせいか、たまに周りが中高時代の昔話や地元のことを話しているときも、自分には何もバックグラウンドがないように思えてがっかりしていたし、こんな体験もつい先日までずっと記憶の底に沈んでいた。よく「あんまり自分のことを話さないんだね」と言われるけど、話したくないのではなくて本当に記憶がないのだ。だけど今回の彼女の訃報をうけたツイートを眺めていると同じような思い出を語る人たちがたくさんいて、それを見て一気に色々なことを思い出して、わかった。あの頃私は全然孤独じゃなかったし、暗黒時代なんかじゃなかった。皆があの場所にいて、皆で楽しい空間を共有して、そして、優しくて絵が上手い同い年の友達が私の隣にいた。あの時間は絶対に今に繋がっている気がする。美しい記憶を残してくれてありがとう。









