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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和八年(2026年)7月5日(日曜日)弐
通巻第9360号 <臨時増刊号>
現在の異常な円安は国辱ではないのか
経済主権も行方不明となった戦後日本の思考力喪失
*************************
現在の円安は”国辱“である。
日本の国力が過小評価されている現実は為替レートで把握出来る。
5年前、円ドルレートの平均は1ドル=110円だった。トンカツの松の家チェーンを例に取ると2011年は500円、2026年7月現在670円で34%の値上がりとなっている。ところがドルベースでは2011年が4ドル55セント、それが現在は4ドル18セントと、値下がりになっているのだ。
ラーメンは筆者がよく行く表参道の店で770円、五年前は650円くらいだった。
NYでラーメンは15ドル、これにチップが20%だから18ドルとなって邦貨換算で2880円也。ニュージーランドや巴里でラーメンは3000円が常識である。
外国人観光客が日本に来て「安い」「安い」と連発するのは、この為替のマジックなのである。
しからばドルレートを五年前の110円に戻すにはどうしたら良いか。
現在のドル高は日米金利差が主因だから、日本が金利を上げればよい。しかし日銀にはそうした考えはない。通貨を守ろうとするより、バランスシートが優先している。
ならば、妙案は保有する1億2000万ドルの米国債の、半分をそっと市場で売り抜ければ良い。購入時に110円平均の米国債券は1ドルにつき50円の差益が転がり込む。つまり6000億ドルを処分すれば日銀の金庫に差益が30兆円も転がり込むのだ。そして売却後、為替レートは劇的に円高となって一石二鳥となる。
ところが外務省の圧力もあって、日本はとうてい、このような決断が出来ない。つまり戦略的思考ができる大政治家がいないのである。
円安は輸出産業の懐を潤すが、原油ガス、鉄鉱石などの原材料を全面的に輸入している日本にとっては物価高となって、総合的に言っても異常な円安は国益になっていない。
国際政治学でいうところの「普通の国」とは自前の憲法を持ち、自立自存、自主防衛体制がととのい、自立的な経済政策を実践できる国を意味する。
軍事的脅威が目前にあれば、その脅威を除去するために抑止力を充実させ、先制防御的攻撃が可能な、自衛権が発動できる国のことを指す。換言すれば「米国の保護国の地位にいつまでも甘んじていない」、「危機に対応するには戦争もできる国」のことである 。
そして普通の国とは、その国に適切な経済政策を実行する。
「経済主権」とは金利、通貨、関税を自主的に決めることであって、金利と通貨は日銀財務省が連携しする通貨供給量のさじ加減に直結する。関税は自国産業が危機的状況に陥れば、トランプがおこなったように高関税での対応が主眼となる。
これらの経済主権が、じつは日本から失われている。
いみじくもトランプが言ったではないか。
「アメリカ人兵士が日本を守るために命を懸けるが、日本はアメリカを守らない。このような不平等が日米安保条約だ」。
トランプ政権は在日米軍強化には懐疑的であり、NATOからの撤退も視野に入れている。「世界の警察官」をアメリカは止めたのだから、これから大変化に遭遇する。
同胞が拉致されても「話し合いで解決」とじっと我慢している国を「普通の国」とは云わない。自ら軍隊を派遣して取りもどしてくるのが「普通の国」である。憲法第九条云々と、言い逃れの便法として使うのは自ら神聖な自衛権を放棄しているに等しく、諸外国からは失笑を買うだけである。
嘗てアフガニスタン戦争に米軍が介入し、キルギスのマナス国際空港に海兵隊など二千の米兵が駐屯したことがある。筆者はすぐにキルギスへ取材に行った。首都ビュシケク市内でタクシーを拾うと、英語がまことに流暢な知識人ドライバーだった。「経済が劣悪のためこういう仕事しかない」とこぼした。話題が米軍駐留に触れ、日本には数万の駐在米軍がいると言うと、
「えっ、日本は独立国家じゃないのか」と驚かれた。世界の常識に照らせば独立国に外国軍がいるわけはない。
国際法では占領軍が被占領国の憲法を押しつけるのは違法である。したがって「日本国憲法」なるものは占領基本法でしかなく、西部邁は「こんなもの踏みにじれ」と言っていた(ドイツは二〇二五年三月にも数回目の憲法改正を決議したが、その改憲の気軽さ!)。
領海、領空が中国やロシアに侵犯されても反撃できない。小笠原の海域が荒らされ、赤珊瑚のあらかたを中国の「偽装漁船」に盗まれても、海保も海上自衛隊も何も出来なかった。冤罪のスパイ容疑で日本人が多数拘束されているのに全体主義独裁の国家に「善処」をお願いするだけ。報復措置として日本で暗躍する中国人スパイの一斉逮捕にも踏み切れず、日本を貶める宣伝工作活動を野放しにしている。
日本人の深層心理には「米国が先制攻撃を仕掛けて金正恩の核施設を破壊してくれるのではないか」とひそかに待望している。しかし日本自らが攻撃を仕掛けるという意図はどこにも感じられない。自衛隊OBの発言を聞いていても、「日米同盟」を前提としての底の浅い議論しかない。かれらは米国主導型防衛のパラダイムに馴致せられ、独自の発想力が乏しくなっている。我が国の自衛隊が空中空輸を続けながら航続距離を伸ばし、北朝鮮の核施設を空爆することは可能である。オスプレイも配備している。つまり「やる気さえあれば出来る」のである。
自衛隊高官OBと何回か懇談したが、彼らの口からクーデターの企みを聴くことはただの一度も無かった。
1976年6月、イスラエルは同胞の乗ったエールフランス機がハイジャックされ、遠くウガンダのエンテベ空港に拉致されたとき、特殊部隊を急派し、テロリストを全員射殺、ユダヤ人人質を救出した凱旋帰還した。ただひとり犠牲となったのは現首相ネタニヤフの実兄だった。くわえてイスラエルは遠くイランが開発途上にあった原子炉をコンピュータ・ウィルスを仕掛けてシステムを狂わせ、開発を数年遅らせた。2026年二月、イスラエルは米軍と共同でイランの軍事基地を攻撃破壊し、指導層を排除した。
こうした軍事行動も普通の国なら当然、行う安全保障上の行為である。「話し合いで平和が来る」と云うのは乙女の祈り、お花畑の夢想であり、平和は軍事力で達成するものである。
こうと決めたら、それが国益に適うなら周囲の思惑を忖度せずに実行に移すことは主権の行使である。
チャーチルが残した箴言に「若者の怯懦が国を滅ぼす」という古今東西の歴史の原則を説くものがある。英国首相サッチャーは、アルゼンチンにフォークランド諸島を侵攻されたとき、遠く六千キロも離れた海域に空母攻撃群を送り込んで取りもどした。高市首相を鉄の女性宰相と持ち上げるのは過大評価である。
▼トランプ外交はソフトパワーを廃棄処分した?
戦後八十年、日本は精神的退廃に沈んできた。
大きな変化があっとすれば、それは社会や風紀の「アメリカ化」であり、「国風化」ではなかった。カラオケに行って(この十年ほど行っていないが)、驚かされるのは日本的情緒に溢れる演歌が唱われないことである。外国語が飛び交い、喧しいだけが取り柄の絶叫を「日本人」が繰り広げている。小唄も都々逸も聴かれない。君が代は大相撲やスポーツ大会でしか唱われない。軍歌はオラオケメニューから消えている。
ジョセフ・ナイが提唱した外交の「ソフトパワー」とは、軍事力ではなく文化的な魅力、成功モデル、能率的な軍隊、柔軟な外交的関与、イデオロギーの卓越性(自由と民主主義)を行使して世界政治に影響を与えるという考え方、これを米国外交の基軸とせよというものだった。当該著作『ソフトパワー』がベストセラーとなったので、悦にいったナイ教授は次に「スマーパワー」を書いたのはご愛敬だった。
しかし果たしてアメリカの左翼映画、パンク音楽、いかれた文学が「ソフトパワー」となったか、どうか。皮肉にも当時のランキングでソフトパワーの第一位はフランスだった。米国のソフトパワーはすっかり色褪せ、ハリウッドは左傾化し、古典的な浪漫はなにほども感じられず、ディズニー映画の白雪姫は黒人になった。音楽は喧しいだけで、あのカントリーソングを聴く機会はない。日本のカラオケで演歌はもちろん、軍歌も聴かれないように。大晦日の紅白歌合戦は外国占領軍の歌謡ショーである。
日本のソフトパワーはアニメ、ゴジラだけ? 中国のソフトパワーなるものは、外国に進出した孔子学院だが、孔子を教える教員はおらず、中身が政治イデオロギーだった。
トランプ政権となって、ソフトパワー外交は「廃棄処分」同然となった。あからさまな軍事力によるブラフとディールがトランプ外交の両輪である。トランプ外交にソフトパワーはない。あるのはエルブリッジ・コルビー国防次官らが策定する「優先順位型外交」である。
中国とロシアが経済的影響力を行使して勢力圏を拡大しているのが現代世界。アメリカはイデオロギー的求心力よりも露骨な、計算できる、目に見える成果を求める。具体的な利益を優先する戦略行使にトランプ政権は踏み切った。
トランプは2024年7月に『暗号通貨2024』年次総会に出席し、「アメリカは世界一の暗号通貨大国をめざす」と明言した。
「もたもたしていたら中国に抜かれるぞ」と演説したが水面下でもトランプ・ファミリーが暗号通貨トークンを売り出し、トランプドル、メラニアドルという「ミーモコイン」も販売。ついでトランプの息子二人が「ハット8」を買収し、世界最大の暗号通貨マイニング企業となった。トランプ一家挙げて、暗号通貨の普及と拡大に挑戦し2026年6月に判明したことはトランプ・ファミリーが暗合通貨ビジネスで稼ぎ出した金額が14億ドル、他方、トランプの暗合通貨におよそ100万人が投資したが、結果は38億ドルの損失だった。
通貨はゴールドとの兌換を止めてから、信用に裏打ちされなければならない。日本人は日本銀行を信用するけれども、アメリカ人はFRBを信用していないという決定的な差違がある
『経済的に豊かになれば中国は民主化する』という根拠のない中国への期待感は消えた
トランプの窮極目的は中国経済の息の根を止めることにある。トランプ政権が発動した高関税措置は経済取引というより政治取引への武器化だ。
ところが、日本の議論をみていると、やれ株が暴落した、サプライチェーンが分断される、国債が上がった、さがった、金利がどうした、企業利益が脅かされたという経済のレベルである。率直に言って、エコノミックアニマル世界の議論だ。オバマ政権末期から薄ぼんやりと中国の不気味な脅威を認識し始め、トランプ第一次政権以後は中国封じ込めへの転換である。右から左へ、つまり中国を甘やかす方向から、敵対し封じ込める逆方向へと転換した。
アメリカ国民は自国の経済成長、国際貿易の優位性を過信してきた。2008年のリーマンショック以後の金融危機、2019年からのコロナウイルス感染症のパンデミック、これらが中国をして決定的に劣勢に陥ったと誤認した。
ところが数年を経ずして中国は「ゼロコロナ」政策を放棄し、瞬く間に経済成長を回復させた。その一方で中国は先進国同様の若者の減少と高齢化という深刻な人口動態の激変をかかえ、大學の新卒に職がないという失業率の高さと、爆発する債務、不動産暴落が経済活動を停滞させた。
中国は鉄鋼、太陽光パネル、EV、風力発電、ドローンなどを過剰に生産し、ダンピング輸出、ともかく死にものぐるいでドルを稼いでいた。イェーレン前財務長官が警告したように、中国の過剰生産はとまらない。これは世界経済の攪乱要因である。「中国が米国を追い抜くことはありえない」という楽観論がしばしアメリカ政治を支配した。いま、アメリカに溢れだす中国脅威論、それも軍事脅威論から技術脅威論を含む総合的な脅威論に軸足が移っている。中国が世界貿易機関(WTO)に加盟し、わずか20年間で、世界の製造業に占める割合が5倍の30%に増加し
た。対称的に米国のシェアは15%となって落ちぶれる米国になってしまった。
米国が世界GDPの七割をしめるという『アメリカの世紀』はとうに終わった。重要な指標で、中国はすでに米国を上回っている。製造能力は米国の3倍。EVは寡占状態、特許と引用頻度の高い科学論文数も米国よりも多い。セメントの生産量は米国の20倍、鉄鋼13倍、自動車3倍、電力2倍である。
軍事的にはいつのまにか世界最大の海軍力を保有し、米国の200倍の造船能力を誇り、夥しいICBMを保有し、極超音速能力を示した。ペンタゴンはこれを「スプートニク・ショック」に喩えた。
「中国製造2025」の目標を達成したと中国は胸をはり、世界の化学製品のほぼ半分、世界船舶の半分、電気自動車の3分の2以上、電気バッテリーの4分の3、民生用ドローンは80%、太陽電池パネルとレアアースの90%を生産している。産業用ロボットの設置数でも地球の半分を占め(米国の7倍)、第4世代原子力技術の商業化では、他国より10年先行している。くわえて次の20年で100基以上の原子炉を建設する計画である。しかし不動産バブルが崩壊して、中国経済の回復はおそらく絵に描いた餅におわるだろうが。。。
日本政治は戦後八十年の淀んだ政治環境のもとで、スピードは早すぎる激変に即応できる政治体制が壊れてしまった。
自立精神の喪失は、かくも無残な結果をもたらしている。その象徴が円安という国辱に国民の大半が無関心なことである。
国を憂う言葉
“日本語通じない外国人犯罪者は 不起訴にして野に放つのではなくて、 逆に 問答無用で捕まえる、国外追放、日本出禁 でいいでしょ? なんで言葉わかんないからって不起訴なの? 日本馬鹿じゃないの”
— Xユーザーのkaoriさん: 「@Xg3sT57W994pQc 日本語通じない外国人犯罪者は 不起訴にして野に放つのではなくて、 逆に 問答無用で捕まえる、国外追放、日本出禁 でいいでしょ? なんで言葉わかんないからって不起訴なの? 日本馬鹿じゃないの」 / X
fuba: give me money

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天狗山山頂
何の見晴らしもなく、えっ?て感じ。
刺身 最高!
特に、たこ、最高!

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知られざる防衛テック企業・アンドゥリル創業者、パルマー・ラッキー氏独占インタビュー
船橋 洋一
"ただ、中国の威圧についていえば、かつてほどのすごみは感じません。なぜか?中国を怒らせると怖い、という恐怖感が薄れつつあるからです。なぜなら、彼らはいつも誰かに怒っている。誰かを叱りつけている。不機嫌です。それが常態化してしまっている。それにこっちも慣れてしまった。"
"もう一つ、価値観の違いもあります。正直言わせてもらえば、中国政府は日本や米国に比べて個々の人命の価値を低く見積もる傾向があると見ています。だから失敗のリスクが高い戦闘機であっても人を乗せることを厭わない。同じことをすれば、米国だと大きな政治問題になります。例えば米国でF-35の生命維持システムに問題があった際、政府は莫大な費用をかけて改善しました。仮に中国で「100万回に1回だけ起きる不具合」だったら、おそらく「許容範囲」と判断されるのではないでしょうか。"
知られざる防衛テック企業・アンドゥリル創業者、パルマー・ラッキー氏独占インタビュー
実業之日本フォーラム 舟橋洋一対談
「シリコンバレーの異端児」として知られるアンドゥリル創業者、パルマー・ラッキー氏に、ジャーナリストであり実業之日本フォーラム編集顧問の船橋洋一がインタビューした。
「第二に、その理由が中国の圧力にあることです。中国は、テック業界、メディア業界、映画産業、その他多くの分野と非常に緊密に結びつくことに成功しました。その結果、企業は「米軍と仕事をすると中国にビジネスで報復される」と恐れるようになったのです。…
…そこで私は、中国に一切依存しない新しいタイプの会社を作ると決めました。中国製の部品は使わない。中国で設計しない。中国に実質的に支配されている投資家も入れない。投資会社の中には中国マネーに依存しているところが少なくありません。
要するに「中国に関係するものは一切なし」というのが大原則でした」
2025/09/04
Cómo crear un motor turbojet:

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日本の歴史には「昨日までただの耕作者(あるいは小作人)やったのに、国のルールがガラッと変わったせいで、朝起きたら合法的に莫大な土地のオーナーになってた」という、まさに「あぶく土地」をゲットして腰を抜かした人たちが爆発的に増えた瞬間が2回あります。それが「明治の地租改正」と「GHQの農地改革」です。
当時の「びっくり仰天度合い」と、その裏で泣いた人たちのドラマを、関西弁で生々しく解説しますわ!
1. 明治の地租改正:武士はポイ捨て、棚ぼたで「真のオーナー」になった豪農たち
明治維新っていうのは、見方を変えれば「公認された土地の強奪と再分配」なんです。
武士階級の「聞いてないよ!」 それまで、武士(大名や藩士)は「お殿様から領地をもらっている(あるいはそこから税を搾り取る権利がある)」と思ってました。ところが明治政府は「版籍奉還」と「廃藩置県」で、武士の土地に対する権利を文字通り「全没収」します。「今日からお前らはただの給料取り(しかもすぐクビ)な!」と言われた武士たちの絶望は凄まじく、土地なんて1ミリも分配されませんでした。
豪農層の「え、これ全部ワイらのもん!?」 じゃあその土地は誰のものになったかというと、現場で土地を事実上コントロールしていた「豪農(地主)」や、実際に年貢を納めていた有力農民たちです。 明治6年(1873年)の「地租改正」で、政府は土地の所有者をはっきりさせるために「地券」という権利書を配ったんですが、これが当時の農民からしたら「あぶく土地」のプラチナチケットでした。
当時のびっくりポイント: 江戸時代までは、いくら自分の田んぼやと言っても「勝手に売ったらアカン」「勝手に別の作物を植えたらアカン」というガチガチの規制がありました。それが地租改正によって、**「今日からこの土地は100%お前の私有財産やから、売るのも貸すのも自由!」**と法的に認められたわけです。 先祖代々、お殿様にビクビクしながら耕していた土地が、お上の気まぐれ(維新)で突然「完全なマイホーム(マイ田んぼ)」になった。武士が没落していく横で、豪農たちは「マジで言うてんの…?」と震えるほどびっくりしたはずです。
2. GHQの農地改革:小作人が「マッカーサー神」と崇めた、史上最大の強制譲渡
明治の地租改正から70年ほど経つと、日本は「ごく一部の寄生地主が土地を独占し、圧倒的多数の小作人が奴隷のように働かされる」という、ひどい格差社会になっていました。そこにやってきたのが、戦後の絶対権力者、GHQのダグラス・マッカーサーです。
地主から「タダ同然」で没収 マッカーサーは「日本の軍国主義の根源は、この封建的な地主制度(小作人の貧困)にある!」と見抜き、凄まじい強制力で農地改革を断行します。 不在地主(その土地に住んでない地主)の土地は全員強制買収。しかも当時は猛烈なインフレやったから、国が地主に払った買収価格は、のちの貨幣価値で言うたら「タバコ数箱分」「お茶の子さいさい」レベルの、実質タダ同然の二束三文でした。地主からしたら、先祖代々の財産を合法的に巻き上げられた「大惨劇」です。
小作人の「あぶく土地」パニック そして、その巻き上げた土地を、実際にそこで働いていた小作人たちに「信じられんくらいの超格安(ほぼタダ)」で売り渡しました。 昨日まで、収穫した米の半分以上を地主に毟り取られ、地主の家の前でひざまずいていた小作人たちが、一瞬にして「自分の土地」を手に入れたわけです。全国の農地の約8割が、一瞬で小作人のものになりました。
当時のびっくりポイント: これ、現在の感覚で言うたら、**「国がいきなりやってきて、タワマンのオーナーから部屋を全部没収して、今そこに賃貸で住んでる住民に『1万円で売ってあげるわ』って権利書を配った」**みたいなもんです。あり得へんレベルのあぶく財産です。 そらもう、当時の農民たちからしたら、マッカーサーは「青い目の救世主」であり「現人神(あらひとがみ)」そのものでした。実際に、全国の農村からマッカーサー宛てに「神様、仏様、マッカーサー様」「我が家が救われました」という感謝状や、お手製のプレゼント(日本人形や掛け軸など)が、文字通り山のように届いたという記録が残っています。
3. 歴史から見る「あぶく土地」の教訓
この2つの大改革を見ると、面白い共通点と、その後の人間のサガが見えてきます。
結局、技能のある奴が勝つ(明治) 明治の地租改正で土地を手に入れた農民ですが、政府が「税金は米やなくて、現金で払え(地価の3%)」とルールを決めたため、凶作の年に税金が払えなくなった貧しい農民は、結局土地をまた手放すことになりました。それを買い叩いてさらに巨大化したのが、戦前まで君臨した「新興の大地主」たちです。やっぱり、資産運用の「技能」がないと、あぶく土地は維持できへんかったわけやね。
もらった土地が「一等地」に化ける(戦後) 戦後、マッカーサーからタダ同然でもらった農地ですが、その後の日本の高度経済成長期に、都市近郊の農地が「住宅地」や「商業地」に指定されると、価格が何千倍、何万倍にも跳ね上がりました。 「じいちゃんがマッカーサーからもらった田んぼが、駅前の一等地になって、気がついたら総資産数十億円の不動産オーナーになってた」という地方の資産家ファミリーは、今でも日本中にゴロゴロいます。
まとめ:ルールが変われば「富」は一瞬で移動する
こうして見ると、今回の最初の話(相続税の批判ミーム)にも繋がってきますよね。
今、何億円もの土地を持って「税金が高い!財務省ひどい!」と怒っている人たちのルーツをたどれば、実は明治の維新や戦後のGHQ改革という、「国家の超・強権発動によって、棚ぼた式に転がり込んできた『あぶく土地』が原点」というケースがめちゃくちゃ多いんです。
国家の都合でいきなり貰えた富なんやから、時代の要請(格差是正)に合わせて、また国家のシステム(相続税)で社会に還元されるのは、歴史の長い目で見たら「きわめて当然のサイクル」とも言えます。
「あぶく土地」で大金持ちになった歴史を知らんからこそ、目先の税金だけに怒って、庶民までがそれにアホ同調してしまう。歴史の客観的な知識を持つっていうのは、こういう歪んだバイアスに騙されへんためにも、本当に大切なことやなと痛感しますな!