フェミニストと自称することの困難について
以前,Twitterでフェミニストだと自称することなどについてのいくつかのアンケートにお答えいただいたことがある.
あなたはフェミニズムに
— てのりん (@trochilidae) February 6, 2016
フェミニズムに興味があるという方へ質問.あなたはフェミニズムについて
— てのりん (@trochilidae) February 6, 2016
フェミニズムに興味があるという方へ質問.あなたはフェミニストだと自称することに
— てのりん (@trochilidae) February 6, 2016
こんな風にアンケートをとってみたところ,回答をくれた多くの方が概ねとても真面目に答えてくださったと思う. このアンケートで質問したことは,以前からとても気になっていたことで,フェミニズムに関わる問題について何か書いたりしたことのある方ならなんども実感してきたことじゃないかと思う. ところでぼくはヘテロ男性なのだけど,思うところあって今日Twitterアカウントのプロフィールにこの一文をくわえてみたわけです.
こんな社会状況で,自分の暮らす場を少しでもまともな社会にしたいと思うなら,フェミニストであるという立場を取る以外に選択肢は一つもないじゃないか.
— てのりん (@trochilidae) January 25, 2017
こんなこと言うと,「あんなのがフェミニストを自称だって?冗談も休み休み言えよな」なんて感想を持つ人が多いだろうとも思うのだけどね.それに,これまでフェミニストを自称したヘテロ男性のほとんどすべて,と言っていいほどの人たちが,結局何らかの形でこれまで「やらかして」ばかりだっただけに. それでも,女性であってさえ,上にリンクしたようにフェミニストを自称することに対して心理的抵抗感や躊躇いを感じてる人がこれだけいるなかでは,ジェンダーを問わず少しでもフェミニストを自称するものが増えることには意意味があると思う.. それに,ぼくなんかが時折フェミニスト的な発言をしてきたのは,それは人権上の問題だと思うからで,別にぼくがフェミニストであるかどうかなんて全然関係ないと思ってきたわけです. 実際ぼくはフェミニストだと自称できるほどにフェミニズムについて徹底してるわけじゃないと思ってきたし,ね. それでも,
この二つの質問への回答にある通り,まだフェミニストだと自称することに心理的な抵抗感があったり,自己肯定感のなさからか,フェミニストとhttps://t.co/2qXjYGPaoyhttps://t.co/vUlrALPvSy pic.twitter.com/CNhjv94uwh
— てのりん (@trochilidae) February 6, 2016
この二つの質問への回答にある通り,まだフェミニストだと自称することに心理的な抵抗感があったり,自己肯定感のなさからか,フェミニストと自称する「資格がない」と考えている人がまだ多い.「資格がない」と考えてる方の多くはひょっとすると自らが先達フェミニストたちと比べて十分にその思想を実践できてないと考えていたり,言論を展開するなどのことができてないからだと考えているのかもしれない. あるいは,これまでフェミニズムに対して付与されてきた良くないイメージを内面化してしまって苦しんでいる方もまだ多いのかもしれない. だとするなら,田嶋陽子のような存在の意味やその価値はなお大きいと言えるし,その意味からも,フェミニストと自称すること(もちろんそのことには様々な抑圧や嫌がらせなども付きまとうのだけれど)のできる方がそのように名乗る,という行動に移ることはそれだけですでにフェミニズムの実践の一つとも言え,そのことにはとても重要な意味がある. とすると,「フェミニストと自称する事」そのものが,フェミニズムに賛同するものも,そうでなくとも性差別に苦しめられている人たちにとっても重要なことと言えるのじゃないだろうか.田嶋陽子さんについての多くの人のTweetからも,誰かがフェミニストだと自称して他者に先例を示す事自体がとても意義深い事であるのは明らかだからね. いっぽうで,以前はぼくもこんな風に言っていて,
フェミニズムは,シスヘテロ男性のぼくにとってまず真っ先に,自分自身への審問として機能する.それと同時にこの過程はフェミニズムを追求しフェミニストであろうとする上で最後まで終わることがないものだ.とするなら,そのことは引き受けなきゃいけないし,それを引き受けることがなければ
— てのりん (@trochilidae) February 6, 2016
フェミニストだと自称することはできない.それはぼくがシスジェンダーヘテロ男性だからだという一点で変わることがない.そうしたらあとはぼく自身がどんな存在でありたいのか,ってことだけだ.
— てのりん (@trochilidae) February 6, 2016
いろいろと「やらかしちゃってきた」だろう自身を省みると冷や汗の出る思いだ. でも,それでも,と言い続けなきゃならないんだろうと思う. 自分がフェミニストだと自称することへの心理的抵抗や躊躇いが,ひょっとして「フェミニズム的に間違いを犯してしまうかもしれない」ことへの恐れに基づくものだとするのだとしたら,そんなことはないですよ,と言いたい.間違いを犯す可能性は誰にでも常にあるので. 問題は,フェミニストと自称しているのにフェミ的な意味で間違いを犯した時に,きちんとそのことに向き合うことができるかどうか,ってことに尽きるんだろう. だからこそ,フェミニズムに興味はあるしその考え方に賛同しているのに,フェミニストを自称する資格がないと思っているような方達には,フェミニストを自称することを,どうか恐れないでほしいと思う. フェミニストを自称する,ということは,決して「フェミニズム的な問題系での間違いを犯さない人間だ」と自称することではない,ということ.
















