5月初旬、FaceBook F8、Microsoft Build、Google I/O 、6月4日(アメリカ時間)にはApple WWDCとTech系企業の開発者会議が相次いで開催された。開発者会議は、デバイスのプロトタイプやソリューションのデモを行い、先進性や技術力、企業としての優位性を訴求する場として定着し、その発表内容は、テック系以外のメディアでも取り上げられることも多くなった。Amazon EchoやGoogle Homeはコンシューマ向けテクノロジー分野で、もっとも注目されているもののひとつであり、家電量販店やTVCMなど、”デジタルガジェット好き” 以外の人々の目に触れる機会が増え、話題となっていることも要因のひとつだろう。
各社の発表の中から、話題となっているものをピックアップし紹介したい。
□ Oculus Goはスタンドアローンで使える低価格ヘッドセット
今後、VR体験型の新しいアプリをローンチすると発表。コミュニケーションツールとしてVRの利用を想定している。Oculus Goのスタンドアローンで使える手軽さ、価格と品質、使いやすさは、VR普及の足がかりになるのではないだろうか。尚価格はOculus Go 199ドル、日本では32GB 23,800円, 64GB 29,800円である。
□MessengerプラットフォームにAR機能を実装
MessengerにARカメラエフェクト機能を統合し、利用者が商品のカスタマイズや試用、新商品を体験するなど新しいプロモーションとして利用可能なプラットフォームとなる。
Facebookは2017年の収益が406.5億ドルで、そのうちの90%以上がモバイルからであり、インスタグラムが牽引しているという。この新しいARプラットフォームは、どのようなユーザー体験を提供してくれるのだろうか。
□ Google Lens がいよいよリリース(β版)
カメラで撮影したものを認識し、関連情報を伝える機能である。例えば花の画像から花の名前を検索したり、画像上の文字からOCRによるテキスト変換がされ、コピー&ペーストで他のアプリで利用したりできる。
2017年の発表では、画像検索、OCR変換、翻訳機能のほか、ポスター画像からのオンライン購入、Wi-Fiの設定など様々な機能を想定しており、一部、google翻訳アプリに実装されたが、今回のβ版からはカメラアプリから利用可能となった。
□Google DuplexはAIが音声で店舗に予約の電話をする
ユーザーがGoogleアシスタントに「○○(お店)に予約をして」と言うと、スケジュールのあいているところを選び、電話で会話をしながら予約をする。このアシスタントのすばらしいところは、適切なタイミングで相槌を入れ、まるで人間のように自然な会話を行うことである。
□他には、ARに対応し、視界に行き先やお店などの情報を重ねて表示するGoogle Mapのスマートグラス機能、写真に写っている人物を顔認識し「共有するか?」といったサジェストをするGoogle photoなどが発表された。また、都度「OK、Google」と言わずに会話が可能な「Continued Conversation」 はまもなくローンチされるようである。
大きなアップデートはなかったが、「知覚力」と「行動予測力」が向上し、より安全性が高まり、困難だった雪の中の運転にも実現している、とのこと。Waymoでは、通算600万マイル(965万km)、シミュレーション走行は50億マイル(80億4672万km)の走行距離と、25,000台の車両を開発に投入しAIのレベルアップを図っている。
Microsoftは、コンピューターとAIが、ユビキタスに社会に織り込まれていくためのプラットフォームとなることを目指しているという。
Azuru上でのカスタムAI開発や、IoTセンサーとしてのKinectの復活、Microsoft 365に、MR機能が搭載、AlexaとCortanaが連携し相互に呼び出しが可能になるなど、開発者向けの機能が多数発表された。
MR機能の搭載もだが、議事録やToDoリストの作成が、アシスタントにより容易になった。会議中の複数人の声を聞き分け、字幕を生成することができるようになる。WindowsとiOS、Android間でのハンドオフ機能強化など、ビジネス利用での効率化、高機能化が進む。
次期MacOS Mojaveにはユーザー行動のトラッキング、フィンガープリンティング防止機能を実装すると発表。かねてからFBのデータ流出事件を受け、Appleはデータプライバシーに関する規制強化の必要性を訴えていた。また、画面全体の輝度を下げるダークモードが実装された。iOSには「Nigit Shift」(モニターの色を暖かい色に変更する)が実装されているが、MacOSにも輝度を下げ目や脳に優しくなる、同様のモードが実装される。
※Mojave モハベ:アメリカ南西部のカリフォルニア州、ユタ州、ネバダ州、アリゾナ州にまたがる砂漠。OSの名前は山から砂漠へとなった。
□ ARKit 2 はPixarと共同開発したUSDZ
Pixarと共同開発した ARオープンフォーマット USDZを発表。 ARオブジェクトのファイル共有やニュースアプリやwebサイトなどへの埋め込みが可能になる。
他社のアシスタントと比較し、有能な秘書とは言い難い人間くさいアシスタントSiriに機能が追加される。
「ショートカット」は特定のフレーズに対し、一連のアクションを結びつける。サードパーティ製のアプリとの連携などのカスタマイズも可能だ。また「提案」は、iPhone上のデータを元にするべきことを「おすすめ」してくれるという。日常のルーティンを学習し、適切なタイミングで通知する。例えば「通勤途中にコーヒーを買う」ことを学習し、「注文するタイミング」を提案するようになるという。
今年は、各社とも既存テクノロジーのアップデートが中心となったが、アシスタントなどAIの進化が目覚ましい。
Google Duplexでは、電話の相手がAIアシスタントだとわかるようにすると言っているようだが、効率よく目的が達成することが目的であれば、電話の相手がAIか本物の人かといったことは問題ではないだろう。
コールセンターの相手は、実はAIアシスタントだったといった世界も近いのかもしれない。
参照
https://ja.newsroom.fb.com/news/2018/05/f8-2018-day1/
https://ja.newsroom.fb.com/news/2018/05/oculus-go/
https://www.oculus.com/go/
https://www.statista.com/statistics/277229/facebooks-annual-revenue-and-net-income/
https://www.microsoft.com/en-us/build
https://www.apple.com/apple-events/june-2018/