After#ALI-KA
出来上がってきた作品は、完全に立体と呼ぶべき厚みのある絵画となった。この厚みが人間の厚みを表しており、絵画として「自立」する。また表と裏の両方に絵が描かれており、これがネガポジの関係にある風景となる。さらにこの絵画は家型になっており、表層に描かれているはずの風景が屋根の下に収まっているように見えるだまし絵でもある。錯視効果についてはそこまで成功しなかったと和田は語っているが、そういう意図がこの作品には織り込まれている。 描かれている妖怪は、アリーが地域に根付かせていこうとする少し異質な存在たちを表しており、和田はこれを作成するにあたって、キャラデザイナーのような仕事ができて楽しかったと語っている。 以前からアリーを非常に頼もしい人物と感じていた和田であったが、ヒアリングの中で彼が抱えている葛藤や弱い部分について触れることで、自分自身も勇気づけられたという。この企画が進行する中で、傾聴という行為を通して、和田の方にも人間的な成長があったのかもしれない。 アリーは、この作品を貰って「自分の理念を説明するのに非常に分かりやすい対象ができて、人に事業を理解してもらうのがやりやすくなった」と感想を述べていた。アートの有用性について、興味深い一例であると言えるのではないだろうか。


















