自分たちがしていることを考えたり言葉にしたりすることはできないけれども、それでもわれわれは実行することができる。その時には、われわれの思考の肉体的・物理的条件である脳はわれわれがしていることを理解できないので、今後はわれわれに代わって考えたり語ったりしてくれる人工的な機械が必要になるだろう。もし知識(今日言うところのノウハウ)と思考が永遠に分かれたままになるとすれば、われわれは機械というよりは技術的知識の前にひれ伏す奴隷となるだろう。それがどんなに恐ろしいことでも、技術的に可能であれば何も考えずに機械に従う生き物になってしまうだろう。
ハンナ・アレント『人間の条件』、牧野雅彦訳、2023年、講談社、18ページ。










