同性婚がないだけで、相続はこうも変わる。 銀行の窓口で、それを見てきた。
同性のふたりが、並んで座った。 三十年、ずっと一緒に暮らしてきた。 「お互いに、財産を残したい」。
家も、貯えも、二人で築いた。 それでも、配偶者にはなれない。
法律上の、配偶者ではないから。
婚姻届を出した夫婦なら、 相続税は一億六千万円まで非課税。 同性のふたりは、控除がゼロだ。
同じ財産を遺したいのに、 遺言で渡せば、税は二割増し。
同じ年月を、同じだけ生きた。 なぜ、同性のふたりだけが。
Peter Solarz
I'd rather be in outer space 🛸
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⁂
Aqua Utopia|海の底で記憶を紡ぐ
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@minaduchi
同性婚がないだけで、相続はこうも変わる。 銀行の窓口で、それを見てきた。
同性のふたりが、並んで座った。 三十年、ずっと一緒に暮らしてきた。 「お互いに、財産を残したい」。
家も、貯えも、二人で築いた。 それでも、配偶者にはなれない。
法律上の、配偶者ではないから。
婚姻届を出した夫婦なら、 相続税は一億六千万円まで非課税。 同性のふたりは、控除がゼロだ。
同じ財産を遺したいのに、 遺言で渡せば、税は二割増し。
同じ年月を、同じだけ生きた。 なぜ、同性のふたりだけが。

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[Japan] For thirty years, I've worn the same ring, a vow I exchanged with the man I love.
We chose the rings. We read our vows. Our friends gathered and cheered us on. That day, we truly became a married couple.
Yet the family registry holds no trace of it. No form to file, no law to call us family.
On our hands, we are husbands. On paper, we are complete strangers.
The only difference: whether we may marry.
左手の薬指に、三十年、同じ指輪をしている。 同性のパートナーと、交わした誓いの証だ。
指輪を選び、誓いの言葉を読み上げ、 仲間みんなに、祝福された。 あの日、二人は確かに「夫婦」になった。
なのに戸籍には、その三十年が、一行も残っていない。
役所に出せる紙も、二人を「家族」と呼ぶ法律も、 この国には、何ひとつない。
指輪の上では夫婦でも、紙の上では赤の他人。 違いはただ、「結婚できるか」だけだ。
同性婚があれば、迷わず「夫です」と言えた。 認知症の彼は、もう、こちらの顔も忘れたのに。
三十年連れ添った、同性のパートナー。 毎日その手を握り、名前を呼び、世話をする。 忘れられても、そばを離れない。
なのに、施設の書類に「続柄」を書く欄はない。
夫でもなく、ただの「知人」として、面会に並ぶ。 最期を決めるのも、もう何年も会わない親族だ。
三十年介護しても、続柄の欄は空白のまま。 違いはただ、「結婚できるか」だけだ。
「同性婚に賛成が多いのは、発信垢の中だけ」。 そう言う人に、ひとつ頼みがある。
この垢でアンケートを取ったら、賛成86%。 Threadsで95人、Xで238人。 合わせて333人の、8割超が賛成だった。
なら、あなたの垢でも取ってみてほしい。
まったく同じ質問を、ボタン一つ押すだけ。 でも、きっとやらないだろう。
やれば、そこでも賛成が勝つと、わかっているから。 反対が怖いんじゃない。賛成多数が、怖いんだ。
ほら、ボタン一つ押す勇気もない。チキンだ。

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死んでも、同じ墓には入れない。 三十年連れ添った、同性のパートナーとは。
彼が眠るのは、彼の家の墓。 血のつながった親族のための場所だ。
三十年連れ添っても、そこに居場所はない。
なのに、婚姻届を出して三日の夫婦は、 当たり前に、同じ墓で眠る。
生きている間も、死んだあとも、他人のまま。
せめて最後くらい、同じ場所で眠りたい。 そのささやかな願いさえ、許されない。
三十年の愛より、三日の結婚が重い国だ。 違いはただ、「結婚できるか」だけだ。
今日も、人が死んでいく。 最高裁の判決を待たずに。
同性婚を、認めるかどうか。 その初めての判断を、 30年連れ添った人は、待っていた。
でも戸籍では、最期まで他人のまま逝った。 一度でいい、「家族」と呼ばれたかった。
異性の夫婦なら、当然に看取り、配偶者として送れる。 違いはただ、「結婚できるか」だけ。
答えは、民法を変えること。 それだけで、済む話だ。 なのに、政治は動かない。
間に合わなかったのは、その人のせいじゃない。 この国のせいだ。
災害は、誰のことも平等に襲う。 震災のボランティアで、ある同性カップルと出会った。
30年連れ添い、その時、家を失った二人だ。 避難所に、ともに逃げ込んだ。
水も毛布も、「世帯」ごとに配られた。 寄り添う夫婦には、一枚。 二人は、一つの世帯と数えてもらえなかった。
安否情報も、仮設住宅も、基準は「家族」。 戸籍の上では、ただの他人だったから。
異性の夫婦なら、何も説明はいらない。 違いはただ、「結婚できるか」だけ。
災害は平等に襲うのに、救われ方は、平等じゃない。
30年連れ添った同性パートナーが、 先月、死んだ。 家族として、見送りたかった。
翌日、会社に忌引を願い出た。 でも、認められなかった。
戸籍の上では、ただの他人。 忌引は、家族にしか、ない。
彼を送ったその足で出社し、 誰にも言わず、 何事もない顔で働いた。
異性の夫婦なら、 当たり前に取れる休みだ。
違いはただ、「結婚できるか」だけ。 それだけで、悲しむ時間さえ奪われる。
愛する人が死んでも、休む権利すらない。
彼を、空港で見送った。 同性パートナーの彼は、外国人で、 この国に、いられなくなった。
十年、同じ家で暮らした。 家族のつもりだった。
でも結婚できない僕らに、 彼の「配偶者ビザ」は出なかった。
今は、画面越しに 「おはよう」を言う。 時差の向こうの、彼に。
僕らが男と女なら、 婚姻届一枚で、彼は隣にいた。
違いはただ、「結婚できるか」だけ。 それで、家族が国に引き裂かれた。
これを差別と呼ばずに、何と呼ぶ。

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同性婚のないこの国は、 自分が産んだ子の親権を、 母親に手放させる。
愛する女性と二人で、 わが子を育てたいだけなのに。
パートナーが、その子を養子にする。 二人で親になる、唯一の道だ。
でも子が未成年だと、 親権は、養親になったパートナーへ。 産みの母は、わが子の親権を失う。
男女の夫婦なら、二人で親権を持てる。 違いはただ、「結婚できるか」だけ。
わが子の親権か、愛する人か。 それを選べと、法律が迫る。
こんな国で、いいわけがない。
同性パートナーと、 ひとりの娘を、七年育ててきた。
「パパ」と呼ばれて振り向くのは、僕だ。 弁当も、寝かしつけも、 熱の夜にさすった背中も。
でも法律は、僕を「父」とは呼ばない。
親権を持つのは、彼ひとり。 もし彼が先に逝けば、 僕に娘を引き取る権利はない。
参観日に「お父さんはどちら?」と聞かれて、 僕は、少しだけ黙る。
それでも明日も、娘の髪を結んで手をつなぐ。
僕は、娘の「パパ」だ。 法律が、何と呼ぼうと。
玄関に、いつも二足の靴がある。 同性婚のないこの国で、ゲイの僕らが、30年。
最近、彼の靴の、かかとが片減りしてきた。
腰が、曲がってきたからだ。 かがんで靴を揃えられない彼の代わりに、 それを並べるのが、僕の役目になった。
宅配の人も、隣の人も、知っている。 この玄関に、家族が暮らしていることを。
知らないのは、法律だけだ。
それでも玄関には、明日も二足が並ぶ。 僕が、そろえている限り、ずっと。
葬儀の仕事を、長くしている。 故人は、同性の相手と30年連れ添った人。
残された、もう一人の片割れが、 誰よりも、声をあげて泣いていた。
でも、その人は、家族として扱われなかった。
喪主の席に座ったのは、 10年会っていない、故人の甥。 連れ添った人は「ご友人」として、末席に。
彼が遺したものを継ぐのも、その親族だ。 30年連れ添った人は、相続人にすらなれない。
法的には、ただの「他人」。 最期の日まで、「家族」にはなれなかった。
同性婚について話すと、必ず言われる。 「焦らなくても、いつか変わるよ」と。
でも、その約束を、僕らはもう、 何年も待たされ続けてきた。
高裁は6件の判決のうち5件で、 「これは違憲だ」と答えを出した。 最高裁も今、統一判断に向かっている。
それでも、まだ「いつか」と言われる。
もしあなたが、愛する人と結婚できず、 ずっと答えを待たされる側だったら。
その「いつか」を、あと何年、 あなたは待ち続けられますか?

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[Japan] The only G7 country without marriage equality, he and I have loved each other for 30 years.
Every night, he takes his bath first. While he does, I make the tea. Two cups, side by side on the shelf.
Lately, the spots on his hands have spread.
Each night, I lay out his medicine. Yet on paper, after all this time, we are still strangers to each other.
Still, tonight there are two cups. Tomorrow, I'll set out two again.
The law won't call us a family. But these two cups already are.
この国には、まだ同性婚がない。 ゲイの僕らは、30年連れ添った。
毎晩、彼が先に風呂へ入る。 その間に、僕がお茶を淹れる。 棚にはいつも、湯呑みが二つ。
最近、彼の手のシミが、少し増えた。
夜の薬を並べるのも、僕の役目だ。 なのに、たった一枚の紙の上で、 二人は今も、赤の他人のまま。
それでも、湯呑みは今夜も二つ。 明日も、僕がそっと並べる。
法律はまだ、僕らを家族と呼ばない。 でも、この二つの湯呑みは、もう家族だ。