辞書を引く人、舟を編む人 ─『のっけから失礼します』読了
エッセイというジャンルを、実はこれまであまり読んでこなかった。小説や新書は読むけど、著者本人の素の語り口に触れる機会は少なかったな、と読みながら気づいた。
ずっと同じテンションで喋り続けられる感じがあって、多少の中だるみは感じた。でもそれも含めて、最後まで飽きずに楽しめたと思う。
「これが本当に『舟を編む』の人なのか?!」という驚きもあり。あの静かで丁寧な筆致の小説を書いた人が、こんなにテンション高く、次から次へとおしゃべりしてくるとは思わなかった。ギャップが面白い。
読んでいて伝わってきたのは、この人が本や漫画、人の創作物を心の底から好きだということ。好きの熱量がそのまま文章の勢いになっている感じがした。あと、ひとつのことをとことん突き詰めて考え続ける想像力と忍耐力には素直に感心した。何かを面白がる力は才能だな、と思う。
印象に残ったのは「なんで?」と思ったら辞書を引く、という姿勢。当たり前のようで、実際にやり続けるのは難しい。良い習慣だし、見習いたいと思った。









