街灯の明かりが薄暗く伸びる夜道で、不意に視線を引く背中があった。どこか見覚えのある、背筋の伸びたシルエット。遠目からでも伝わってくる独特の熱量を帯びた空気に、胸の奥が跳ねる。
思わず口をついて出た声に、振り返った男が目を細める。
一瞬で表情を崩し、懐かしさと喜びに満ちた視線を向けられた。そのまっすぐな瞳は、あの頃と少しも変わっていない。
二十才を過ぎてすっかり大人びた僕の姿をまじまじと見つめると、先生はあははと豪快に笑い、近くにあった小さな居酒屋の暖簾をくぐろうと僕の肩を叩いた。
ガラリと引き戸をあけ、カウンターの端に並んで腰を下ろす。冷えたビールで乾杯を交わすと、積もる話が一気に溢れ出した。卒業してからのこと、今の仕事のこと、そして当時の懐かしい思い出。杯を重ねるごとに心地よい酔いがまわり、時間はあっと言う間に過ぎていく。
ふと隣を見ると、あんなに熱っぽく語っていた先生が、グラスを手に置いたまま静かに息を立てていた。
声をかけても、返事はない。すっかり熟睡してしまったようだ。時計に目をやると、とっくに終電の時間を過ぎていた。起こして帰すわけにもいかず、僕は苦笑しながら先生の腕を肩にまわし、歩いてすぐの自宅マンションへと連れて帰ることにした。
重たい体を抱えるようにして部屋に入り、なんとかベッドへと運び込む。横たわった先生は完全に夢の中だ。
そのまま寝かせておこうとしたが、ふと身につけているスーツのシワが気になった。明日、シワだらけの服で困るのもかわいそうだなと思い、ゆっくりとジャケットを脱がせ、ネクタイを緩めてシャツのボタンを外していく。
服の下から現れたのは、日々の鍛錬を感じさせる、驚くほど厚く逞しい胸板だった。高校時代はジャージ越しにしか知らなかったその体が、今、目の前にある。普段の豪快な笑顔とは違う、無防備な男の魅力に、僕は一瞬だけ息をのんだ。
「ズボンもシワがいくとダメだな」と思い、丁寧にベルトを外してズボンを脱がすと、白いボクサーパンツが現れた。
ヘソからまっすぐ下に繋がる体毛が、そのままパンツの内部へと吸い込まれるように伸びている。
息を殺しながらそっとパンツを降ろすと、そこにはこれまで知らなかったズル剥けのモノがあった。
真っ赤に剥けたそれは、まさに成熟した大人の男の象徴だった。
気づけば僕は導かれるように、静かに唇を寄せていた。