ball or something vol.1 <report 2>
「ball or something」 vol.1 -サッカー選手のセカンドキャリア-
ゲスト:石塚啓次さん(VIVA LA VIDA、元東京V etc)
石:苦労かー。まあ人並みにはあったと思うけど、どんなもんやったかなあ。
山:辞めなきゃよかった。もっとサッカー選手やっていればみたいなことは?
山:最近なんですね。もっと出来たぞみたいに思うんですか?
石:うーん、まだ一度も引退って正式には言ってないし。
山:なるほど! 声がかかったらいつでも戻るぞと(笑)。それはおもしろい。同年代の選手は結構同じ時期で辞めた方もいらっしゃいますよね。
石:そうですね。去年からいろいろサッカー関係の人に会うようになって、そうすると強化部長とかそういう地位にいるやつもいるし、今何やってんのやろうなあとかいう人もいるな。話しを聞いてると、皆座れる椅子の少ない椅子取りゲームみたいに大変そうやな。
山:さっきもちょっと話した小学校の指導者で月収十数万円では、結婚して子供という未来も描けないわけですよね。そうすると30代元Jリーガー、40代元Jリーガーで月収20万とかもありえる。
石:そうですね。聞いて悲しいなあと思ったのが、指導者をやる時にプロの育成の方にいかへんと、有名私立大学を狙っていくとお金をもらえるという話もあったりやね。なんでプロチームが学校に負けなあかんねんて。あほやなー。
石:寂しい。Jリーグとかの上の人達、そういうところが上手じゃないですよね。日産のゴーンさんみたいに、海外からすごいやつとか入れた方がええんちゃう。仕事できひんのにどかへん人がいっぱいいそうやな(笑)。だって、みんなこのままじゃJリーグ、ダメになると思ってるもんね。クラブの経営は成り立ってないチーム多いし。スポンサーも外国のスポンサー解禁したらいいのに。
山:そうですね。来季からパチンコ業界等のロゴ解禁の話題もありましたね。
石:パチンコもええと思うんですけど、アジアですよ。シンガポールもお金持ちいっぱいいますよ。アジアでJリーグの放送とかやってますよね、タイとかで。
山:本当に遅いんですよね。プレミアリーグが放送されていて、後からJリーグの放送が始まったいっても、当然プレミアリーグ観ますよね(笑)。
山:アジアの選手がいっぱいJリーグに入ってくれば、日本人選手がいるからヨーロッパリーグを観るというのと同じ状況もありえるのかもしれませんけど…。最近では日本の選手が、Jリーグのセカンドキャリアとしてアジアリーグに行っています。先ほど石塚さんが仰った、30万で車、家付きは日本の下のクラブから比べたらすごくいい。しかも物価が安い。アジアでは元Jリーガーがまだ価値を持っていますが、サッカー選手であったというのは、日本国内で社会的にブランドとしての評価、影響はあるものでしょうか。
石:オレはまだあった時経験してるしな。いい時代やったわ。人と仕事で会ったら、あの選手と言われてやりやすかったんですけど、もう少し後やったらサッカー選手イコール、ダサいになってたなぁ
山:あー、そうか。Jリーグの開幕の当初のあの頃はよかったけど…
石:オレが現役最後の頃は皆、「Jリーグ、ふーん」て笑われちゃってるみたいな。某武田選手がダサいダサいって(笑)
山:もう苦笑いですね…。元Jリーガーと、表立って言うことでもなくなってきていたと。
石:外国のリーグだったら、やめても街を歩けば皆声をかけるし、引退したらセカンドキャリアで「もうちょっとなんかやれよ」という声もかかる。日本はいいのかね、こんなんで。誰からも愛されてないしな。
山:そういう意味では、Jリーグの仕組み自体が開幕当初からうまく機能していない印象ですね。
石:うーん。まあ、どの選手も始めは引退した後の事考えないもんな。毎年毎年何人も引退していくっていうのは分かってるやしJリーグの偉いさんがいっぱい天下り会社作って雇用したらええのに。得意やん天下りとか日本人。
石:サッカーくじのtotoの販売員とかにJリーガーの天下り会社作ったらええのに。toto、すごい金あるやんな。
石:今日の話内容、不安になってきたわ。まだ今日の会費の300円分ぐらいの内容しか話してないな…。あと700円分話さなな(笑)
山:引退後はアパレル関係の仕事をやられて、去年退社されました。いまはスペインに移住をされています。なぜスペインに行かれたんですか。退社からスペインまでの経緯は?
石:仕事を辞めて、妻とどうしようかと話をしていて、どこでどういう仕事するのかという話から始まって。
石:というよりも、そんなにしたい仕事が今ないから、まずは住むとこから考えようやと。お互い東京は嫌やなあ、なんか人間関係もしんどいし、疲れたしな。オレの実家の京都か、妻の実家の徳島か行こかーって話しになったけど、この際、沖縄とかもいいねえ〜とかどうせやったらハワイやねえって話してたな。
石:(笑)。結局、うちの兄貴がスペインに15年ぐらい住んでるから、スペインには何回も行ったことあってて、僕の知り合いの人が会社をやっていて、行くところが決まってないなら労働ビザを取ってあげるしこっちで勝負してみるかと言ってくれたんです。簡単に取れるもんじゃないけど、申請だけはダメもとでやってみようかって。最高な事にこのスペイン大不況の中で奇跡的にやってみたらなんやかんや取れてもうて。
山:奥さんはどこでもポジティブに行こうという気持ちだったんですか?
石:そうですね。一度は海外に住んでみたいというのは結婚当初からお互い話してたけど、実際そんなん無理やって言ってたくらいやったな。お互い言葉もあんま喋れへんし、外国人のグイグイ具合も絶対無理やって話してたんですよ。
石:しかも温泉もないし、飯はまずいし。現実どうやって仕事すんねんとか不安だらけやったわ。
山:スペインはどうですか? ぐいぐいきますか?(笑)
石:完全きよるな。でも最高やで。スペイン人達は、仕事はラテン乗りでぐだぐだやけど。でも人にはすごく優しい。ヨーロッパは先進国ってイメージがあったけど、そうではなかったな。20年ぐらい前の日本って感じかな。コンビニもないしね。ゆっくりお茶飲もうよとか、そんなゆっくりした街で。
石:そうですね。とにかく人に対して優しいし、子供が騒いでても絶対子供には怒らへんし、おばあちゃんが困ってたら絶対手を差し伸べるしそういう幸せがいっぱいある国やわ。
山:いいですね。スペインでの今後のプランとしては?
石:今度自分の会社を起こすんですよ。スペイン人からユーロを出してもらって生活したいんで。まあ難しいなぁ、いい言い方やったら倹約家悪い言い方やったらケチの人多いしなぁ。でもスペイン人は唯一飯だけにはお金結構出すしな。昔から外食文化が発達してるしな。減ってはきているけど、みんな外で飯を食うんですよ。だから、金を稼ぐなら飯やなと思って、レストランしようかなと思ってます。そしたら、みんなに大笑いされた。誰が作んの言うて。俺やんけ、て。そもそも作れんの言うて。やるよ、て。
石:それなりに作れるよ。皮も剥けへん程じゃないからな。作るの好きやし。
石:一応ね、その辺はちょっと言わへんわ。まだもったいつけとこかなー。
石:今回はその為の帰国やったりするから。準備するものがあったりで忙しいわ。
山:完全に経営者のつもりで聞いていました。厨房にいるイメージが湧きません(笑)
石:そんな人件費がもったいない。それと、元々向こうでサッカーのことをやりたいと思っていて、サッカーのコーディネーターとか個人留学とか大会ブッキングとか。スペインのサッカーはすごいのに、なかなか日本人が活躍できてないしな。ドイツやったらサッカー選手はビザがすぐもらえるんらしいな。オレが現役の頃はドイツの5部くらいでプレーしてた子もいっぱいいたし、市役所に行ったらすぐビザを貰えてサッカーができる環境がある。でもスペインはそんな簡単に取れへんし、まだスペインで活躍した日本人選手だれもいいひんしな。今のところ一番地元で愛されてるのは指宿選手かな。その人知らんけど。サバデルでリーグ優勝に貢献したのもあって、サバデルという街で愛されててるらしい。
石:まずサッカー仕事に関しては、サッカーのコーディネーションの仕事をやってるやつを何人か知っているから、コミッションビジネスやっていくつもり。外国はほとんどコミッションビジネスで成り立ってるんですけど、おれが仕事を獲ってきてこっち側に振る。例えば俺が取材陣で、メッシに取材をしようと思ったら、今やと2,30人のやつがコミッションを抜いてくるらしいで。
石:そう、中抜きがすごくて。聞こえは悪いけど、海外での仕事としてはそれが普通のことで、当たり前なんですよ。日本人特有の、協力してくださいねっていうのはなくて、何をするならいくらとか何%というのが決まっている。まあ一応僕の顔で紹介して、ブッキングする。あとスカウトについては、俺がその選手たちを直接見に行って、いい選手やからって必ず成功するわけじゃないけど、ええ選手やったら紹介しますよということをしようとしています。もちろん実力を見て判断するから、誰でもやりますよって訳ではない。まあ、実際それぐらいしか時間も金もなかったというのもあるんやけど、ずっと待ってるのもいややったんで、サッカーとはそういう風に関わり始めていこうかなと思ってます。まあうまくいけば、後はどんどんどんどんね。
山:以前「週刊サッカーダイジェスト」のインタビューの中で、4部リーグのチームを買おうと思っている話しをされていたんですけど、それはどういった?
石:藤枝FCみたいなソシオにしようと思ったんだよ。あのインタビューの後、一週間で諦めたけど(笑)。
石:いや、でもいいなあと思ったんやけどな。バルサのソシオと一緒なんだけど、一株いくらみたいなかたちで権利を買ってもらって、ソシオカード渡す。ほんなら飲みの席で言えるやん、おれスペインでチーム持ってんねんて。
石:一万、五千円レベルやったらまあ、ネタ的に買えるやん。自分のチームがあるっていいやん。スペインは遠くて行くの面倒やけど、そこにチームを持ってたら行くじゃないですか。そういう意味でいいかなあと思ったけど、まあなんかパンチがないなあと思ったんよね。
石:そうですね。一回飲み屋で自慢したらおもろいけど、一回くらいやし継続性ないし続かへんなあーと思いながら。
山:でもその4部リーグはそういうやり方でできるものなんですか?
石:そんなお金があったらそれはできるわ、誰でもチーム登録できるし。
山:記事では、ご自身もプレーしたいとおっしゃっていましたが…。
石:カタルーニャリーグの3部で9月からリーグが始まるんですけど、8月から練習が始まるから、ちょっと行ってみようかなと思ってますよ。夜九時から練習に参加して、土曜、日曜の日中に試合みたいな。いいかなあと言っとんやけど、妻が仕事してくださいって(笑)そういうことが切り抜けられたら行きたい。
山:うまく話しが出てきて、うちでやらないかって話しになったら、どうするんですか。
山:おぉ! ともあれスペインに滞在して、何かしらサッカーと関わっていこうとされてるんですね。
石:結構いますよ。学生ビザを取ってコーチング学校で勉強している子もいる。スペイントッププロまでなれるのが早くて3、4年かな。でも取ったところで、日本に帰ってきても日本のチームに誘われへんとライセンスには切り替えられへんらしい。
石:そうですね。日本のチームが誘われたら、うまいこと切り替えられる時もある。まあでもね、日本だとC級ライセンス取るのも順番待ちだから、日本ではこっちと違ってチーム数も少ないしなぁ。
山:石塚さんは、指導者の道は考えなかったんですか。
石:指導者。全くないですね。そもそもサッカーを観るセンスがないんですよ、オレ。全体の動きをオレはボールまわり中心を見てるから他のボール以外の選手いい動きしたとか全然わからへんわ。
山:それサッカー初心者の女の子とサッカーを観るのと一緒ですよね(笑)。
石:まあ、そんな感じなんですよね。ホンマ見るセンスはないです。
山:なるほど。そうかもしれないですね。それだけ聞くと(笑)。
山:お子さんがサッカーをやりたいと言ったらどうですか?
石:いま男の子が2歳やけど、メッシメッシ言うてますよ。バルサは街中で洗脳してるから。サッカーやりたいって言ったらまあ嬉しいけど、期待はしてへんわ.
石:うーん、喜ぶよそりゃ。そのかわりええ選手限定やけどね。上の子にはバルサの選手と結婚して、「島でも買ってもらって! お願いしますよ!」って話しをしてるわ。日本人はモテるからなぁ〜。
山:(笑)。アパレルを始めて、やめて、今スペインにいる。普通のサッカー選手の経歴としては、異色だと思うんですけれども、特に現役の選手達がセカンドキャリアを考えた時に、こういうことに気をつけるべきとか、こんな仕組みがあったらいいんじゃないか、現役時代にしておくべきこととか、そういうことは何かありますか。
石:人脈を作れるならそれはいいことやけど、まあでも実際は考えられへんやろ。そもそもセカンドキャリアなんて周りの人が考えたらええやんやと思うわ。サッカー選手に考えさすの絶対無理でしょ、基本サッカー馬鹿なんやから。まあ結局、さっき言ってた天下りを作ってあげたりとかかな…。選手の時にセカンドキャリアを考えさせるのは酷やと思うんです。普通にサッカーしかしたことないのに。
山:周りからはずっと勝て勝て言われていますしね。。
石:まあ周りが助けるしかないと思うんですよ。絶対選手は考えられないと思う。
山:最近では、親と本人もだと思うんですけど、セカンドキャリアを考えて大学に行ってからという選手も増えました。選択肢を増やすという意味では、行っておいていいのかなという感じなんでしょうか。
石:でもサッカーを強くしたかったら、そこで大学行って日本のサッカーが本当に強くなるのかってことやね。Jリーグ全体の組織がサッカーを強くしたいんか、したくないんかよう分からんね。
山:そうなんですよね。成長するシステムを作らないと結局育たないわけで、どこまで本気なのか。
石:A契約〜C契約って今あるやんな。途中から急にできた制度やけど、よくわかってないですけど、そんなアホな話しあるかって。聞いたらJリーグ初期に人件費をかけすぎて、一年間で高卒のやつに800万とかあげて、ええ選手やったけど辞めて行くやつの方が多かったから、そういうのをなくす為にもちゃんと使えそうなら800万をあげる契約の仕組みにしたって。それはお前らの見る目がないだけやん(笑)。
山:C契約でMAX480万ですから、貯金もそんなにできないですよね。
石:もうむちゃくちゃやよ。サラリーマンやないんやから、、、
山:18歳の子が将来のことについて何が分かるのか。
石:うん。そこを変えなあかん。変えなもう無理ちゃいますかねJリーグわ?
石:そのうち日本の若いいい選手がタイみたいな熱狂的な国から、Jリーグやったら480万やけどタイ来たら800万出すよと言われたら、みんな行ってしまうやろ。そういうこともありえるのを、Jリーグはわかりながらやってるんかな?
石:Jリーグは今東南アジアへ広めて、ちょこっと選手入れて、東南アジアの視聴者を持ってこようとしてるわけでしょ。でも逆に取られまっせ。本当に。そこわかってるのかなって。
山:そうですね。なかなかJリーグは厳しい局面ですね。
石:難しいですね。今更いうのもなんですが、オレが考えてどうにかなるんやったらとっくにどうにかなってると思いますけど(笑)もっと頭いい大人達がいい考えだしていかなアカンな!