「ライアー×ライアー」2021
人を愛することがこんなにも難しいなんて、酷だ。
「好き」という想いを人に対して抱いた時、選択肢がある。
それを伝えるのか、伝えないのか、それとも気づいてもらおうとするのか。
だから世の中には腐る程、恋愛のハウトゥー本やら、駆け引きテクニックやらが存在するんだろうし、きっとその対象は生きている人ならほぼ全員、ぐらいの人数を想定している。
まさか、伝えることすら、動くことすら許されない状況にいる人なんて...
不倫か浮気の人は倫理的にヤバくない? ま、任せるけど!
程度にしか想定されていないのではないだろうか。
義理の姉弟である、湊と透。
お互い連れ子で血の繋がっていない姉と弟。
血が繋がってないから何が他の姉弟と違うのか。
幼少期から一つ屋根の下で育っているなら姉弟じゃないか。
名字が一緒なら姉弟じゃないか。
姉弟であることの定義なんて、子供からすれば曖昧だ。
そして固定概念にまみれた社会からすればきっと、目に見えるもので判断するしかないものだ。
そんな状況で彼らはやっぱり傍から見れば紛れもない「姉弟」だ。
“きょうだいは結婚できない”
ある日突然、その言葉が頭上からバーンと落ちてきた。
その時の少年の気持ちなんて想像してもしきれない。
そして悲しいことに、その少年は世間体なんてものも分かってしまうような賢さを持っていたんだから酷だ。
“好き”を奪われた少年。
それが透の本当の姿だった。
本来ならものすごく悲しいお話だ。
でも、ずっとずっと自分の気持ちを我慢してきた彼に、嘘が舞い降りる。
ちょっとした悪戯心から生まれた嘘。
それは、いつの間にか青年に育ってしまった、”好き”を奪われた彼の心を救う初手になった。
嘘に嘘を重ね、嘘に嘘で応え、嘘を嘘で取り巻いたストーリーの果てに見えたものは、とても真っ直ぐで柔らかい二人の心だった。
あの嘘も この嘘も
今を作る 足跡なら それもいいか
ー「僕が僕じゃないみたいだ」SixTONES
きっと、あの嘘も、この嘘も、二人にはなければならなかったんだ。















