きれいな方形にこだわるな
方形波観測の誤解・・・周波数特性を測定したところ高い周波数にピークがあったとします。そして方形波を観測したらリンギングが生じました。これは同じことを意味しているのだということが案外理解されていません。高い周波数にピークがあるからその周波数で振動するリンギングが観測されるわけで、周波数特性のピークがなくなればリンギングも消えます。方形波でリングングが生じたということは、その振動周波数付近にピークがあるということでもあります。しかし、方形波観測では大雑把なことしかわかりませんので、問題が発見されたら手間がかかっても周波数特性を測定する必要があります。最初から非常に高い周波数まで精密に測定できているのであれば、方形波観測は不要だとさえ言えます。
きれいな方形にこだわるな・・・出力される方形波がきれいに直角と直線で構成された方形になると気持ちが良いものですが、常にそのような方形でなければならないものではありません。アンプの周波数特性がDCから無限に高い周波数まで完全にフラットであれば、(理論的には)常にきれいな方形波が出力されることになりますが、オーディオアンプは必ずどこかで減衰をさせますから、常に完璧な方形になるわけではありません。そういうことを求めたからといって良い音のアンプにはなりません。
(中略)雑誌のオーディオアンプの製作記事を見ると、オーバーシュートやリンギングが観測されるとなんとかしてそれをなくそうとする、方形波応答はとにかくきれいでなければダメみたいな認識があるようで、「オーバーシュートやリンギング=悪」という図式が出来上がっている気がします。そうした単純思考から脱して、そもそも何のために方形波応答のチェックというものがあり、それはどんな意味があるのかについてもう少し原点に立ち戻って考えてみたらいかがでしょうか。必ずしも方形波がきれいな四角い形にならなければいけないわけではありません。
(http://www.op316.com/tubes/tips/b560.htm)
私のアンプ設計マニュアル / 基礎・応用編
測定器その7 (波形の観測)
<1.周波数特性の概要をつかむ>
by Tetsu Kimura










