Korg MINIKORG 700SM Sound Tweaking Demo
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Korg MINIKORG 700SM Sound Tweaking Demo

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緊急投稿 <Synth Review: Forgotten Saga of KORG 800DV>
●メーカー名 KORG
●機種名 800DV
1974年発売、当時の定価 24万円 鍵盤数は、Fスケール 44 鍵で、ミニコルグより半オクターヴほど拡張されている。
アナログシンセ黎明期の機種であり、コルグ初の量産型シンセ mini KORG シリーズを元に開発された機種でもある。すなわち 800DV は、コルグ歴代の量産型シンセとしては事実上2番目となる、きわめて初期の機種であった。
あたらしい音が出る電子楽器を生み出そうという試みは、なにも海外の moog、Buchla などが初めてではない。'60年代から、すでに国産メーカーは、いろいろ試行錯誤を重ねていた。
'63 年には KORG、当時の京王技研株式会社は同社初の商品「ドンカマチック」を発表。これはアナログ電子音源によるプリセット式リズムボックスで、なぜか小さな鍵盤が1オクターヴ弱ほど装備されており、それでマニュアル演奏もできた点では、すでにドラムマップで演奏できたと言える。
翌 '64 年には、Roland の前身でもある Ace Electronics すなわちエース電子工業株式会社が、海外の Clavioline を元に「Canary(キャナリー)」という電子楽器を発表しており、これは3オクターヴ鍵盤のモノフォニック・キーボードで、鍵盤下にならんだタブレットスイッチ群による音色切替や音域切替、ヴィブラートの on/off 機能、音量の抑揚レバーがついた、言わばシンセ的なキーボード、シンセの一歩手前とも言うべき機種であった。キャナリーとは英語でカナリア鳥のこと。かわいいシンセリードっぽい音がしたのかなぁ、と想像するばかり。
当時エース電子工業は「Ace Tone(エーストーン)」ブランドでいくつかの電子オルガンを開発製造しており、キャナリーは、おそらくアクセントとして使うソロ鍵盤楽器として創造されたものと思われる。キャナリーもエーストーン・ブランドで発売されていたようで、さらに Canary S-2 と Canary S-3 の2機種がある。鍵盤の左横にマニュアルで叩く2個のアナログ電子パーカッション・ボタンを追加した機種が S-3 らしい。 トリヴィアなことを紹介すると、このキャナリーの音量抑揚レバーには操作性の向上のため先っぽに1円玉くらいの直径の黒い丸い玉がついており、この玉は家具メーカーから仕入れた、つまり家具の部品を流用したものとのこと。電子楽器あけぼのの時代には、こうした混沌とした珍エピソードがごろごろころがっているものらしい。
そして '70 年ちょうどになると、ついに国産初のシンセサイザーの試作機が、コルグこと京王技研によって実験的に製作される。
コルグの創設者、加藤孟(かとう・つとむ)氏の話では、開発当初コルグは、シンセというものがどういうものか知らず、したがってシンセを開発しているという意識も無く、ただ単に差別化のため個性的なオルガンをつくるつもりで開発していた。すでに海外では moog や ARP がシンセを生産していたが、そんなとんがった最先端情報は、日本になかなか入ってこない。とりあえずコルグがつくりあげた「個性的なオルガン」なるもののプロトタイプは、2段鍵盤こそあるものの、母音が鳴るという機能までついている不思議なしろもの。で、つくった後になってから、海外通の日本人ミュージシャン佐藤允彦氏の指摘で、実はこれがシンセだと判明。つまりコルグは、偶然にもシンセを開発していたのだ、そうとは知らずに。
このプロトタイプは商品化されること無く、この後に開発された「デカコルグ」が発売された。デカコルグという名前は通称で、正式な商品名は「KORGUE(コルグ)」といい、その特徴から「デカオルガン」と呼ばれることもあったらしい。デカコルグは1段鍵盤しかなく、とにかくオルガンに VCF などをつけた風変わりな機種。コルグはこれを発売した。勇気と言うか蛮勇と言うべきか、よくもまぁそんな機種を世に出したものである。 シンセとも知らずにシンセのプロトタイプを開発し、その次にデカコルグという変態オルガンを発売したコルグ。そこからコルグは、シンセ開発へ本格的に乗り出してゆく。
その量産型シンセ初号機が '73 年に発表された「mini KORG-700」で、1VCO のモノシンセであった。このミニコルグという名称は、先行していたデカコルグに対するものかもしれない。37 鍵しかない小さなおもちゃみたいな外観だったが、音は非常に個性的かつ音楽的で良い。これは偶然にもローランドの量産型シンセ初号機「SH-1000」と同年に発表され、ともに国産初の量産型シンセとなった。いずれもオルガンの上に載せてソロ楽器として使うことが前提にされているため、鍵盤下の本体前面に操作パネルを設けているところが、まだシンセが世間的に認知されていなかった黎明期であることを感じさせる。ちなみに現行の KORG ロゴは、このミニコルグ 700 のリアパネルにて初めて搭載されたものを、ほんのわずかに変更したもの。
ミニコルグ 700 は、翌 '74 年サブオシレーターとノイズジェネレーター、そしてリングモジュレーターを追加したマイナーチェンジ版「mini KORG-700S」というモノシンセに置き換わる。
↑ 高校時代の元カノからタダでもろて、阪急電車をむき身で持ち帰ったやつ
そしてこの 700Sをさらに改良したシンセを2台分搭載したのが、本機「800DV」。
たった2音ポリと思う無かれ。800DV の DV とは、おそらく Double Voice(今で言う Dual Voice)の略で、モノシンセが主流だった当時、ARP Odyssey に続く2ボイスという仕様をアピールするためのものと思われる。 ところで 800DV は、海外では MAXI KORG(マキシコルグ)という機種名で販売された。これは mini KORG(ミニコルグ)と対をなすためであろう。米国では Univox 社が代理店をつとめ、700 を K-1、700Sを K-2、800DV を K-3 として販売してもいた。
なお同 '74年、ヤマハが同社初のシンセ「SY-1」を発表したことで、国産シンセメーカー御三家がそろうことになる。SY-1 は小さなモノシンセだったが、その前年に発売されていた巨大エレクトーン・シンセ GX-1 から、1音分の回路のみを独立させて小型キーボードにまとめた機種。
800DV が発表された '74 年には、冨田勲氏が moog IIIp による傑作アルバム「月の光」を発表している。翌 '75年にはヴァンゲリスがアルバム「天国と地獄」を、そしてさらに翌 '76年にはヴァンゲリスが「反射率 0.39」を、ジャン=ミシェル・ジャールが出世作「Oxygene(邦題:幻想惑星)」を発表している事からも、いかにこの 800DV がシンセあけぼのの時代に生まれたかが、うかがえよう。
●音源方式
2系統のフルアナログ減算方式:各系統の構成は、
1基の VCO 1基の VCF 1基の VCA 1基の ホワイトノイズジェネレーター 1基の ピンクノイズジェネレーター 1基の サブオシレーター 1意の リングモジュレーター 1基の EG 1基の LFO???
非常に初期のアナログシンセだが、すでに当時から Hz/V 仕様でピッチは安定。ただし CV/Gate 端子が無いので、分解でもしない限り検証しようがない。 Hz/V 方式は、ヴィンテ時代のコルグとヤマハが採用し、ピッチが安定している利点があった。これに対し Oct/V 方式は、ピッチが不安定になりがちなものの、先行していた海外メーカーのシンセと互換するという利点があり、ローランドが採用していた。ただし同社の準プリセットタイプのシンセ SH-2000 だけは、安定性重視の Hz/V の VCO だったらしい。コルグも確か MP-4 "MONO/POLY" だけは、互換性重視の Oct/V 仕様だったはず。
なお、コルグが Hz/V を採用したのは、実は Oct/V にあるアンチログ回路を省くことでコストダウンできるためであり、安定性はあとからついてきただけと元技術者が証言。
●同時発音数
2音。 モノシンセを2系統搭載し、2音ポリとした機種。 2音をレイヤーさせることで、分厚い音のするモノシンセとしても使える。
800DV は2音ポリであると同時に、完全独立2系統のシンセでもあった点が、Odyssey よりも進んでいる。Odyssey は、2音ポリというより、2音パラフォニックであった。 800DV ではフロントパネル上に2系統のシンセが上下に並び、それぞれ UPPER と LOWER という名前がついていた。アッパーとロワーを同じ音色になるよう設定すれば、通常の2音ポリシンセとして使えたし、それをレイヤーすれば厚い音のするモノシンセとして動作した。アッパーとロワーをおのおの違う音色になるよう設定にすれば、2音色別々に鳴らしたり一種のキースプリットまがいの奏法をしたり、レイヤーすることで部分音合成できるモノシンセとして動作した。
●内蔵エフェクトの性能と傾向
んなもん、あるわけがない。 ただ2音ポリのアナログなので、微妙なナチュラル・コーラスは常にかかる。あと、後述するが、アッパーとロワーの音を個別に出力できるので、左右のスピーカーから微妙に違う音を出すことで、空間合成のコーラス効果も得られる。 なお、音源波形の中に CHORUS と銘打たれたものがあり、これでよく「コーラス内蔵」と勘違いされるが、じつはこれは PWM 波形である。
●内蔵波形、プリセットの傾向
音源波形には、三角波、矩形波、パルス波、鋸歯状波、前述の CHORUS と名づけられた PWM 波、そしてノイズが2種類あった。
CHORUS 波については、先行機種ミニコルグシリーズでは周期固定で、周期のゆっくりした CHORUS I と周期の速い CHORUS II と2種類搭載されていたが、800DV では1種類にまとめられ、実は後述するビブラートスライダーで周期が可変できるのが便利だが、分かりにくい。ビブラートデプスをゼロにすれば PWM のみかかる。
ノイズは、アッパーにピンクノイズが、ロワーにホワイトノイズが割りあてられていたので、両者をレイヤーして鳴らすことも出来た。なお、アッパーにあるピンクノイズだが、のちの MS-20 のような「ゴー」という雷のような音ではなく、もっと高周波も含まれたもので、おそらくはピンクノイズが何たるかを良く分かっていないまま開発し搭載してしまったと思われ、実際のピンクノイズとは違う音がする。 なお、ミニコルグ 700Sでは、NOISE 1 というものが何やら笛っぽい音階ノイズ、NOISE 2 というものがホワイトノイズになっている。さらにのちの MS-20 では、ホワイトノイズとピンクノイズとを混ぜて、LPF、HPF に通し、カットオフを2つ同時に動かすことで、冨田勲の「ソラリスの海」のような潮騒の轟音が再現できた。
800DV の音はシンセ黎明期ならではの、さすがに他のアナログシンセとは一線を画す、やわらかで暖かみのあるもの。のちの MS-10 や MS-20 などとも違う。ただし「太い」というより「あたたかい」「枯れた」という感じ。別に細い音ではないのだが、太さで言うなら minimoog や prophet-5 のユニゾンモード、あるいは Pro-One のほうが、はるかに太くてゴージャスな音がする。800DV やミニコルグは、それらバタくさい洋物や舶来品とは違い、東洋の哀愁のような、やわらかくも枯れた、あたたかみを感じさせる音。この音には、他のどのアナログシンセとも違う、独特の個性がある。龍安寺の石庭のごとく、枯れた和のこころすら感じさせる、わびさびな音。 なお、ミニコルグでサイン波と書かれている音は、じつは三角波である。800DV では、正直に三角波と書かれている。 個体差なのか私の 700Sと 800DV とを同じ設定にしても、違う音になる。キャラの違いなので、どちらも良い音。そして両機種ともに、テクノよりプログレ向き。
音色メモリーが無いので、無論プリセット音色も無い。
●エディットの自由度と可能性
これが今となっては、かなり謎解きな感がある。フルアナログだからすべて本体上のノブやスライダーで操作するようになっているのは良いが、なんせシンセ黎明期の産物ゆえ、独自の用語だらけ、しかも今のシンセには無い変態機能まであり、何が何を意味するのか分からないことおびただしい。
先述のとおり、完全2系統のシンセなので、フロントパネル上も上下2つに双子シンセがならび、それぞれ UPPER と LOWER という名前がつき、両者を同じ設定にすれば2音ポリシンセになる仕掛け。ここまでは分かりやすい。 だが、ふつうならフロントパネル上を左から右へ、信号の流れとともに VCO → VCF → VCA とボブ・モーグ先生から教わったように配置するであろうところを、なぜか 800DV では UPPER/LOWER ともに左から VCF、VCA、VCO と並んでいる。なんでか、わからん。 あと、垂直に配置されているスライダーは、すべて下へ行くほど値が大きくなる! この常識に反した設計はミニコルグでも見られるもので、ボリューム・スライダーでも、下へおろすほど音が大きくなる。これはハモンドオルガンのドローバーと同じ感覚で操作する事を考慮したものと憶測され、目盛りも0~8とドローバーに準じている。
ただ、考えられているなと思わせるのは、ミニコルグと同様 ・青色:音程に関係する操作子 ・赤色:音色に関係する操作子 ・橙色:音量に関係する操作子 ・黄色:特殊効果系の操作子 と配色されていることで、このカラー・コーディングがシンセの理解を助けてくれる。たとえば VCO の中でもオクターヴ切替ノブは青く、音源波形の切替ノブは VCF 系の操作子と同じオレンジに配色されているところは、本質をついていて鋭い。
まずフロントパネル上の一番左にある VCF セクションには: ・「TRAVELER(トラベラー)」スライダー ・「BRIGHT(ブライト)」スイッチ という、さっそく謎の操作子を装備。
目をひくのが「TRAVELER」と名づけられた、2本で1組の水平スライダーで、カットオフ・フリケンシーをつかさどる。2本で1組となっているのは LPF と HPF の組合せになっているからで、両者のカットオフが互いに相手を通過して音が消えてしまうことがないよう、2つのスライダーのツマミには、物理的に干渉する突起がついている。このため、Q幅が可変する BPF として動作する。LPF スライダーと HPF スライダーとを同じ位置にして、一緒に動かすと気持ちいいスイープ感が得られる。
なお、Traveler というつづりは米語であって、イギリス英語だと Traveller なのでご注意。私もなんかみょーな感覚で最初書いたので、混乱させてごめんなさい。
その右横にある「BRIGHT」スイッチ、これがレゾナンスの off/弱/強 スイッチ。なんだスイッチかと思うことなかれ、意外にもレゾナンスの効き具合は気持ち良く、これとトラベラーだけでも、驚くほどいろんな音がつくれる。先行機種ミニコルグでは on/off しかなく、また 800DV ともども自己発振しない仕様だったが、このときからすでに聴感上、効き心地よく設定されていた。ヴァンゲリスの「天国と地獄 パート1 第三楽章」では、終わりのほうで低いシンセ音がレゾナンス効かせ、ゆっくりカットオフをスィープさせながら聴こえてくるが、あれは恐らくミニコルグによるレゾナンス音と思われ、なかなか聴き心地が良い音である。
よってここ VCF セクションには: ・カットオフをつかさどるスライダー ・レゾナンスをつかさどるスイッチ があるということになる。
VCF の右隣にある VCA セクションには: ・「ATTACK/SLOW」スライダー ・「PERCUSSION/SINGING」スライダー ・「HOLD/SUSTAIN」スイッチ ・「SHORT/LONG」スイッチ を装備。
最初のスライダーは、アタックタイム可変スライダー。
2番目のスライダーには名前がついておらず、上端が「PERCUSSION」、下端が「SINGING」と書かれており、つまり上端では短いパーカッシヴな減衰音に、下へおろすほどディケイタイムが長くなると同時に途中からサステインレベルが上昇してきて、最後に下端ではディケイなしの持続音になる。確かに持続音なら歌うよう聴こえるわけで、SINGING という名も理解できる。
その次のスイッチがまた無名のくせもので、実態はリリースの on/off スイッチなのだが3段階あり、上端が「HOLD」と書かれており文字通り音が鳴りっぱなしになり、真ん中にリリース無しのポジションがあって、下端は「SUSTAIN」などとまぎらわしく書かれているがこれはサステインレベルではなく、ここでリリースが on になるが、ついでにサスティンレベルがゼロになり、事実上スタッカート専用音色になる!
リリースの長さは、もうひとつの無名3段階スイッチで「SHORT」と中間値そして「LONG」とを切り替えれる。「LONG」にすると、やたらリリースタイムが長くて、ほとんど使いものにならないのが、ご愛嬌。
よってここには、音量 EG の: ・アタックタイムをつかさどるスライダー ・ディケイタイムとサステインレベルを同時につかさどるスライダー ・リリースの on/off 兼ホールドスイッチ ・リリースタイムを3段階で変えるスイッチ を装備、ということになる。
なお、VCF と VCA との間に「EXPAND(エクスパンド)」と書かれたスイッチがあるが、これを on にすると、VCA EG が、そのまま VCF EG を兼ねる。やはり3段階スイッチで off/EG デプス弱/EG デプス強となっているが、聴感上なかなか気持ちよく設定されている。ブラスやシンベとかいい感じ。これもミニコルグでは on/off の2段階しかなかったが、それでも気持ちよいポイントに設定されているのは流石。
とまぁ、とかくイレギュラーな EG セクションだが、慣れると手早く音が創れるので ADSR より使いやすいこともある。
そしてなぜかその右にある VCO セクションだが: ・オクターヴ切替ノブ ・音源波形を切り替えるノブ ・「MIXER」レベル・ノブ ・「MIXER」のオクターヴ切替と、リング変調 on/off 兼用ノブ となっている。
各 VCO のオクターヴ切替だが、高音は2フィートからあるのは普通として、低音はなんと 64 フィートという超低音まであるのが驚き。ただし、64フィートまで下げて低い鍵盤を弾くと、もはやただの断続的なパルスしか得られず音にならない。64フィートで実用的な音を得るためには、鍵盤の中高域を弾くことになる。これがふつうのシンセにない低音で、おもしろい。 音源波形ノブでは、前述のとおり、UPPER シンセにはピンクノイズが、LOWER シンセにはホワイトノイズが装備されているのが特徴。
「MIXER」というのは、サブオシレーターをミックスするためのオシレーター・ミキサーのこと。 まずミキサーレベル・ノブで、サブオシの音量が決まる。ゼロにするとサブオシの音が出ないはずなのだが、私のは壊れてて、ちょっとだけ漏れて聴こえるので、その時はメイン VCO と同じピッチになるようにしてごまかしている! それはまだしも、このレベルノブをフルテンにするとサブオシのみの音になるのが、また大胆! 中央値にすると、メイン VCO とサブオシが半々に混ざった音になる。
しかもこのサブオシ、めずらしく鋸歯状波オシレーターで、世間に良くある矩形波オシレーターではない。ミニコルグ 700Sでは、サブオシのピッチを専用スライダーで連続可変できたが、残念ながら 800DV ではその機能は省かれ、サブオシ独自のオクターヴ切替ノブに発展的解消(?)された。その範囲は 32フィートから2フィートまでと可変幅が大きい。このためメイン VCO とはオクターヴ・ユニゾンにするか、同じピッチにするかしかできず、適当な音程差を持つインターバルをとることはできない。そのかわりと言っては何だが、メイン VCO 2つと、おのおのにサブオシが1個ずつ計2つ、これを全部レイヤーで鳴らすと4アナログオシレーター同時駆動できるので、かなり分厚い音になる。
サブオシのオクターヴ切替ノブは、リングモジュレーターの on/off スイッチも兼ねていて、32フィートよりさらに左に、つまりを最も左へ回しきると、リング変調が on になる。それよりも右へ回すとサブオシのオクターヴ切替になる。 リング変調は UPPER と LOWER とを乗算させているらしく、よく言われたがホワイトノイズとピンクノイズとを乗算すると雷の音ができる。リング変調機は1台につき1基しかついていないらしく、それを UPPER/LOWER の2つの出力から取り出せるようになっているらしいのだが、なぜか UPPER と LOWER とで違う音が出るのは、 UPPER/LOWER とで、キャリア/モジュレーターとをひっくり返した音が出ているのか? なお、フロントパネル左端の果てに、UPPER/LOWER それぞれのピッチ粗調整ノブ(今で言うコース・チューン:coarse tune)と微調整ノブ(今で言うファイン・チューン:fine tune)があるので、これを手動で回せば、リングモジュレーター特有の、倍音が出たり引っ込んだりするスイープ音もつくれる。
ところで、このピッチ粗調整ノブだが、なんとセンタークリックがついており、アナログシンセの分際でピッチの安定性には自信があったことを、うかがわせる。しかも黎明期のシンセなのに!
また、800DV のリング変調は、その後のシンセにあるものと似たものだが、ミニコルグ 700Sでは3つのリング変調モードがあり、「MODULATOR 1」と「MODULATOR 2」では倍音の出方が違うので、たぶんにモジュレーター側のオシレーターとなっていると思われるサブオシのピッチを変えていると想像される。そして「MODULATOR 3」は、なんと音階にならず、その代わりに鍵盤ごとに違う倍音が出るようになる。ということは、この「MODULATOR 3」モードでは、キャリア側のオシレーターのみピッチがキーフォローせず一定の値で固定になるのだろうか? いずれにせよ、これも黎明期ならではの実験的産物であり、800DV 以降では、より実践的にリファインしたものと思われる。やっぱリング変調は、楽しい。
なお、ミニコルグ 700Sには「EFFECT」というスイッチがあり、これは内蔵エフェクトを指すのではなく、そもそも 700Sにエフェクターは内蔵されておらず、これは 700 から 700Sになるとき追加された部分、すなわちサブオシ/リング変調/ノイズジェネレーターを一括して on/off するスイッチである。おおざっぱに言えば、これを発展させたのが 800DV のミキサー・セクション/リング変調/ノイズ・ジェネレーターとも言えよう。 いずれも、あいかわらず今となってはまぎらわしい名前なので注意。
VCO のさらに右には: ・ビブラート関連スイッチ ・「BENDER(ベンダー)」関連スイッチ ・ポルタメント FIXED/off/VARIABLE スイッチ ・ビブラート・デプスのスライダー ・ビブラート・スピードのスライダー ・「BENDER デプス」のスライダー ・「BENDER スピード」のスライダー ・ポルタメント・スピードのスライダー と、いわゆるモジュレーション系が並ぶ。
ビブラートは、on/off のほかに、ディレイ・ビブラートも選べるのが気が利いている。
次にある「BENDER」とは、いわゆるピッチベンダーとは関係なく、オートベンド、すなわちアタックだけのピッチ EG。そもそも 800DV には、ミニコルグ同様、ピッチベンダーもモジュレーションホイールも、後世コルグ独自のコントローラとなるジョイスティックもついていない! 800DV のオートベンドは、ベンド・アップとベンド・ダウンとが選択でき、ベンドする時間もスライダーで調節できる。ミニコルグではベンドアップのみで、ベンド時間も固定だった。音源波形を三角波にしてベンドアップさせると、喜多郎が好んだ口笛みたいなシンセリードになる。
ポルタメントは普通のアナログシンセのポルタメントなのだが、3段スイッチにてかかり具合が選択可能。VARIABLE にすると、ポルタメントスピードを可変できるスライダーが生きる。FIXED にすると速度固定でポルタメントするが、なぜか私の個体では非常に遅くて使いものにならない。喜多郎の「シルクロード」にて、要所要所で効果的に使われていたのが、懐かしい。
ここまでの各セクションは、UPPER と LOWER 個別に存在し、そのため 800DV は、上記の操作子をすべて2つずつ持ち、この翌年に出た Oberheim Two Voice と同じく完全2系統のシンセとなっている。VCF と VCA まで2基ずつあるのがポイントで、のちの MP-4 "MONO/POLY" や POLY-800 のように オシレーターだけ複数あるというパラフォニックではなく、ほんとうに2音ポリシンセとして動作するので弾きやすい。 フロントパネル上にならんだ、上下2つのシンセ操作子群は、なかなか壮観ですらある。
さて、ここからは1台につき1系統しか存在しない謎のセクションたち。UPPER/LOWER 各シンセ独立ボリューム・スライダーは見ただけで意味が分かるが、さらにその次にあるのが、謎のセクション「REPEAT(リピート)」。 そこにあるのは: ・REPEAT スピードのスライダー ・REPEAT 形状のスライダー ・REPEAT モードのノブ:値が off のほかに A、B、C、D、E とある
このリピートを動作させるとトレモロ効果が得られるので、ついつい VCA LFO かと思ってしまうのだが、よっくよく挙動を調べてみると、じつは EG とベンダー(前述のオートベンド)を周期的にトリガーしているため各ゲート信号を周期的に開閉する、という変態機能らしい。黎明期の混沌である。 このためか効果は、VCA LFO 波形にたとえて言えばパルス幅が可変できるパルス波 LFO のみで、これは恐らくパルス波 LFO ではなく、ゲートの開閉であると思われる。なお、このゲートは、UPPER/LOWER 個別に独立して存在するらしいが、考えてみればモノシンセ2台分なんも考えずに搭載しているから当然か。
リピート・スピードのスライダーでは、トレモロの速さを決定できる。かなり高速にできるので、AM 変調の一歩手前くらいのことができる。 リピート形状のスライダーというのは、パルス幅すなわちゲート・タイムを変えるスライダーで、上端ではパルス波状、中央値で矩形波状になり、下端では上端とは逆相のパルス波状になる。
そして謎のリピート・モードのノブ、これが2系統のシンセシスとからんで複雑なことになっている。各モードの解説をすると: ・A:UPPER のみトレモロがかかる ・B:LOWER のみトレモロがかかる ・C:UPPER/LOWER 同期し、同時に、同じ位相でトレモロがかかる ・D:UPPER/LOWER 同期し、逆相でトレモロがかかるので、両者の音が交互に鳴る ・E:UPPER が一度鳴ってからあとは LOWER がずーっと鳴る、らしいのだが、私のは壊れているのか、UPPER/LOWER 同時に鳴ってから、UPPER のエンベロープがトランケートされて LOWER のみの音になる。
というわけで、たとえば UPPER でベードラの音を、LOWER でハットの音をつくって、モードDにすると「ドンチードンチー」と、ハウスなリズムボックスみたいなリズムが刻める。つまり、ちょいとしたシーケンサーまがいなことも可能。このままベードラの代わりにシンベを UPPER で創ると、なんとなくルート弾きっぽくなって調が連想されるから面白い。 UPPER/LOWER ともに同じシンセ音にすると、2音アルペジエイターになる。UPPER/LOWER とで異なるシンセ音にすると、アナログなウェーヴシーケンスっぽくもでき、周期を遅くすれば、アナログのベクターシンセシスふうにも、聴こえなくもない。
これに先述のリピート形状のスライダーをからめると、スライダー上端では UPPER の音は全部鳴るが、LOWER の音はごく短い間しかゲートが開かないのでエンベロープが終わる前にトランケートされて途切れる。中央値では、UPPER/LOWER 均等に交互に鳴る。下端では LOWER の音が全部鳴るが、UPPER の音がトランケートされて鳴る。ということは、モードDにおいてはゲート開閉が UPPER/LOWER で反転しているのであろう。
また、UPPER/LOWER で持続音をつくってレイヤーし、モードAないしBにすると、片方はずーっと鳴っているのにもう片方だけトレモロがかかるという、風変わりなリード音ができる。
出力端子が、UPPER/LOWER 個別にあるので、外部ミキサーのパンで左右に振り、リピート機能を使うと、左右で音が交互に出たり、超高速で左右でパンするような空間演出もできる。
ちなみに、このリピートという機能はミニコルグにもあったが、 ミニコルグはモノシンセなので、ここまで複雑ではなかった。だからますますただの VCA LFO くらいにしか思えなかった。だがこれは、ミニコルグと 800DV ならではの、変態機能。 ミニコルグで、このリピート機能とベンダー機能とを効果的に使った例として、ヴァンゲリス「天国と地獄 パート2」の最初のほうに出てくるコウモリの鳴き声をイメージした効果音がある。この効果音は、しばらく不気味にひっぱったあとリピートとベンダーとを解除され持続音となり、そのまんまながらに一転して哀愁をおびたメロディラインを少しだけ奏でる。効果音から楽音へのメタモルフォーゼ。ここにシンセならではの、音色変化のおもしろさ、リアルタイムにモーフィングする楽しさが垣間見える。
そして 800DV 最後が究極に謎のセクション、その名も「TRANSPOSE(トランスポーズ)」。もちろんこれも、キー・トランスポーズとは何の関係も無い。これはいわば、キー・アサインの方式を変えているようなセクションで、あるのはただ二つのスイッチ: ・左スイッチ:値はAとBのみ ・右スイッチ:値はCとDのみ だけ。 してその動作は: ・スイッチ群を AD という組合せにすると、まず最初の打鍵で UPPER のみが鳴り、それをホールドしたままさらに別の鍵盤を打鍵すれば LOWER が鳴る。 ・スイッチ群を BC という組合せにすると、まず最初の打鍵で LOWER のみが鳴り、それをホールドしたままさらに別の鍵盤を打鍵すれば UPPER が鳴る。 ・スイッチ群を AC という組合せにすると、UPPER と LOWER がレイヤーされて同時に鳴るモノシンセとなる。ただし、それをホールドしたままさらに別の鍵盤を打鍵すれば、UPPER と LOWER が分離してばらばらに鳴る。UPPER が高い音、LOWER が低い音の鍵盤で鳴る。 ・スイッチ群を BD という組合せにすると、最初の打鍵では音が出ず、次の打鍵で2鍵同時に鳴る。これも UPPER が高い音、LOWER が低い音の鍵盤で鳴る。
つまり: AD ないし BC にて、UPPER/LOWER を同じ音色に設定すると、2音ポリシンセとして動作する。モノシンセとして単音弾きすると、AD で UPPER が鳴り、BC で LOWER が鳴るので、UPPER/LOWER とで違う音色にすれば、AD と BC とを音色メモリーがわりに利用でき、瞬時に音色切替ができる。じつは単に UPPER と LOWER とを切り替えているだけだが。 さらに最後の BD モードにて、UPPER/LOWER を同じ音色に設定すると、高速のコード・カッティングができて便利。違う音色にしても面白い。 というわけで、シンプルかつ難解ながらに、いろいろ使いみちがあるセクションである。
なお、どのモードでも、2つ鍵盤を押したとき、かならず UPPER は高音に、LOWER は低音にアサインされる。どうやら UPPER は高音優先のモノシンセ、LOWER は低音優先のモノシンセらしい。 両者を違う音色に設定すると、レガート奏法することでキースプリット効果が、それもフローティング・スプリットポイントみたいな演出ができる。当時、これを利用し、LOWER でシンベを、UPPER でリード音を創り、左手でシンベを弾きつつ右手でリードとを弾くことで、アクアタルカスを再現していたデモンストレーターがいたとか。 この状態でさらに LOWER のみにリピートをかけてこの奏法すると、シーケンスベースとシンセリードによる合奏ができる。 逆に UPPER のみに高速でリピートをかけると、シンベとトレモロリードによる合奏ができる。UPPER/LOWER 両方にリピートをかけても、いろいろ実験できてたのしい。
よぉこんな機能や名称の数々、考えついたな。
なお、KORG 700 系はもっと変態で、もはや VCO/VCF/VCA という区別も無く、あらゆるパラメーターがごちゃまぜになって配置されている。なので、パネルの回路と、中の音源回路とが、無関係に配置され接続されていると思われる。
どんなパネル配置かというと、鍵盤下、左から右へと: ・ボリューム・スライダー(VCA) ・トラベラー(VCF) ・原始的な音量 EG 関連(例のアタックとかシンギングとか言うやつ:VCA) ・オシレーター・フィート切替ノブ(ピッチ切替ですな:VCO) ・音源波形の切替ノブ(VCO) ・Expand という、EG を VCF にあてはめるスイッチ(VCF) ・Bright という、レゾナンスをつかさどるスイッチ(VCF) ・EG リリース・スイッチ(VCA) ・オートベンド・スイッチ(VCO) ・リピート機能スイッチ(ゲートと各種トリガー?) ・ヴィブラート・スイッチ(VCO) ・ディレイヴィブラート・スイッチ(VCO) ・ポルタメント・スイッチ(VCO) ・リピート速度スライダー(ゲートと各種トリガー?) ・ヴィブラート速度スライダー(VCO) ・ヴィブラート深度スライダー(VCO) ・ポルタメント時間スライダー(VCO) ・電源スイッチ ・チューニング・スライダー(VCO) とまぁ、むちゃくちゃでっしゃろ。さらに七百式改では鍵盤左横にサブオシ関連、リングモジュレーター関連、ノイズジェネレーター関連の操作子が、これまた、むとんちゃくに配置。えらい混沌。 まぁ鍵盤下に並んだパラメーターは、おおざっぱに言えば基本的な設定を左半分で行い、それに対し効果を右半分で加える、という思想で配置されているようにも思える。
●拡張性
皆無、と言いたいが:
・背面に「ATTACHMENT FROM」という端子と「ATTACHMENT TO」という端子:これは、UPPER/LOWER 個別に外部エフェクターをカマせる、つまりエフェクト・センド/リターン端子 ・UPPER/LOWER 独立にトラベラーのカットオフを開閉できるフットペダルを接続できる端子 がある。
前者を活用すれば、UPPER/LOWER で異なるエフェクト処理ができる。外部アウトボードギアを「アタッチメント」と呼んでいるあたり、時代である。 後者の端子は、当時のコルグ独自の形状になっていて、通常のフォーンジャックなどではない複雑な複数ピン仕様のものである。CV を可変できるような独自のフットペダルがあったに違いないが、見たことが無い。
そして最後に音を出す出力端子は、前述の通り UPPER 用の出力端子と LOWER 用の出力端子とが個別に用意されており、リピート機能などを使った曲芸的な空間演出ができるほか、ふつうに両方で同じ音にして別々のスピーカーから鳴らすと、微妙な音程・音色の違いから空間合成式のステレオ・コーラス効果が生まれる。あるいはここでも UPPER/LOWER で、別々のエフェクトをカマすこともできて便利。
●あなたにとっての長所
いやー、こんだけ音も仕様も個性的なシンセはなかなか無いでしょう。ええ音しまっせー。テープエコーをカマすと、ますます飛べます。しかも少ないパラメーターで、これほど豊かで多彩な音を実現しているところは、ミニコルグと 800DV とに共通する長所。
たった2音とはいえ、和音で弾けるのは大きな長所。モノシンセを弾いてから 800DV を弾くと、ポリフォニックならではの自由度の高さが、じつにありがたい。UPPER/LOWER を違う音にするのも、創意工夫が試されておもしろい。 キータッチもミニコルグより良い、というかミニコルグのがおもちゃっぽすぎる。
●あなたにとっての短所
意外にでかい。ほんで、ごっつ重い! なんでピッチベンダーが無い? 重たさでは、なんでも 16.5kg あるとかで、こりゃたいがいの 61鍵シンセより重たい。 あと、用語や変態機能が独特すぎて、しばらく使わないとすぐ意味や動作を忘れてしまう! そして CV/Gate 入出力端子が無いので、外部からシーケンス駆動できない、手弾きのみのシンセ。
●その他特記事項
忘れ去られた、変り種。
800DV 弾いててなにがすごいって、他には代えがたい音の良さと個性もさることながら、ただ単純に2音ポリのシンセつくりゃーいいとせず、やたらと難解な機能を付加し、2音仕様ならではの、とはいえ思いもよらぬ効果が出るように工夫してあるところ。唯一無比の音にこの変態ぶりの組合せは、先人たちの偉業である。
ここからは純粋に憶測にすぎないのだが、800DV は、のちのポリシンセで使われたデジタルスキャニング・キーボードを採用していない。単に高音優先のモノシンセと低音優先のモノシンセを合体させただけなのだろうが、その結果、変態リピートや意味不明トランスポーズなど、かえってさまざまな演奏というか奏法が可能になっているのではないだろうか。今は滅び去った変態機能の数々は、それら黎明期の、まだ発想が自由だった時代ならではの産物ではなかろうか。
そのせいか、海外では、これを史上初のデュアルティンバーシンセ、つまりパート数が2というマルチティンバーシンセの先駆者として評価する向きもある。しかもいちいち MIDI チャンネルを合わせたり複雑なルーティングを組まなくても、スイッチやスライダーの一発でできるあたり、800DV の操作性はじつは非常に感覚的。 また完全2系統のシンセシスでレイヤーもできたことから、部分音合成が可能なため、ローランド D-50 にあった「パーシャル」という音色単位を早々と実現していた先駆者とみなす向きも、海外にはある。
さらに、独特の用語たち。 たとえば長い音の旅路をわたる旅人になぞらえたという「トラベラー」。これら独自の名称は、800DV だけでなく mini KORG やデカコルグ、770、900SP、M-500SP Micro Preset といった、当時のコルグ機種に共通して使われていた。シンセ黎明期の混沌ぶりをあらわしているこれらコルグ独自のパラメーター名は、なんとかして新しい音創りの世界を、世にひろめようとした努力と工夫であろうか? つまり「かっとおふ・ふりーくえんしぃ」などという技術用語やテクニカルタームをユーザーに押しつけるのではなく、分かりやすく一般的な言葉で、あるいはバーのマスターであった創業者・加藤孟さんならではの粋な言葉で、さまざまな新機能を紹介しようとしたのだろうか? あるいは、はたまた、たんに外国産のシンセを知らなかったために、独自の自社技術でもってシンセの試作機まででっちあげてしまったその歴史から、独自の用語を用いるようになったのか?
事実、同時代のローランド SH-1000 は、すでにモーグ社とコンタクトしていたことがあった経験もあってか、ローランド独自開発であるにもかかわらず、搭載されているパラメーター名は、ほぼ現代のシンセと変わらない。
それでいてなおかつ独自開発だったせいか、ミニコルグの好敵手 SH-1000 は、国産初のシンセであるにもかかわらず、すでにプリセット音色を装備し、しかも複数の音源波形を同時発生でき、おまけにフィート合成までできたという、これまた今のシンセには見られない、独特の個性的な仕様となっている。
800DV に見られるスライダーの多用も、のちのコルグでは長らく見られない。 VCF に至っては、トランジスターを並べたという有名なトランジスター・ラダー型ではなく、ダイオードを並べたダイオード・ラダー型なのだという。 これら原始の混沌からすれば、その次の世代たるコルグ MS-10、MS-20、MS-50、PS-3100、PS-3200、PS-3300 などですら、用語も音色も、それまでのコルグあけぼのの時代とは違う、なんだかずいぶん整然と整理され進化した近代的な機種に思えてくる。それこそ丸ノブの多用から「Cutoff Frequency」という名称の採用にいたるまで、である。
シンセがまだ海外で産声を上げたばかりのころ、それこそアーティストの間ですらまだ知られていなかった時代、メーカーはなんとかしてこの新しい楽器をひろめようと、さまざまに工夫を凝らした。中には今では絶えてしまった機能もあるが、その工夫を凝らした意気込みが、このただの2音ポリシンセにとどまらなかった 800DV には詰まっているといえよう。
そしてミニコルグと違い、操作子を鍵盤の下に置かず、ミニモーグ同様に鍵盤の後ろに傾斜したフロントパネルを設け、そこに操作子を集中させているあたり、単にオルガンに従属した周辺機器にとどまらない、シンセという独自のアイデンティティーを持ったあたらしい楽器が生まれたことを主張しようとしたのではないか。ミニコルグのように王者オルガンに隷属しない、新種の楽器、あたらしい楽器、その誕生ではなかったか。それこそが 800DV の、真の姿ではなかったか。
なによりも、他のどのシンセにもない独特な音。ミニコルグともども枯山水を思わせる、枯れた、だがゆたかで有機的な響きの音。おなじコルグでも、次の世代になる MS-10 や MS-20、PS シリーズとも違う、さらに後の機種とはまったく違う、世界中のどのシンセとも違う独特の個性。これがコルグ・シンセの産声なのか。黎明期ならではの、味のある音である。
忘れ去られた変り種。
喜多郎は、NHK 特集「シルクロード」の中で、ミニコルグ 700Sのサイン波(実は三角波)を、その幻想的な笛のような唯一無比のサウンドから木管調のリードに使い、800DV の鋸歯状波をまろやかなブラスっぽいソロに使っていたという。 難波弘之は、最初に手に入れたシンセがミニコルグ 700Sというところから思い入れがあるのか、800DV とともによく使っている。しかも未だに 700Sを、ライヴで使ったりしている。難波氏は、700Sにある CHORUS I という名の、ゆっくりした PWM がかかる音源波形を使ったと思われる、のびやかなリード音がお好みのようで、レトロフューチャーなリード音が聴ける。 ヴァンゲリスは、前述の通り初期の名作「天国と地獄」「Ignacio」「反射率 0.39」などで、ミニコルグや 800DV などを駆使していたらしく、それらしい音が随所に聴ける。
彼が自身のトレードマークともなったヤマハ CS-80 を多用するようになるのは、'77 年のアルバム「螺旋」から。そのさらに翌年 '78 年には、クラフトワークがアルバム「人間解体」を発表。そのころには、すでに各社からさまざまなアナログシンセが出現し、それらを駆使したプログレやクロスオーヴァーから広まっており、高機能化・低価格化が進んでテクノブームを起爆させ、ついには伝説の名機の数々として語り継がれることになる。
だが、800DV は、まだそのさらに前の時代、シンセあけぼのの時代の、突出した、それでいてほとんど忘れ去られた先駆者だった。
この混沌とした、だがそれがゆえに今では見られない底抜けに自由かつ奔放な設計思想でつくられたシンセたち。
それらのうち、特に miniKORG 700S は、だがコルグの創業者、加藤孟(かとう・つとむ)氏をして、永遠の理想の名機と思わせたらしい。 その発売から三十年くらいたったころ、彼は TRITON 以来のワークステーション全盛期に、一度これを復刻しようと試作させている。できたものの 15 万円くらいになるというので、量産は見送られが、逆に機能縮小することで安くすればいいんじゃないかという話になった。そこで、とことん仕様を削りまくり倒し、最小限のスペックで誕生したのが、スマホサイズのアナログモノシンセ monotron。
時に 2010 年の春。
ひょうたんから駒、ここからコルグは直球でアナログシンセ復興をかかげ、その盟主となって数々の名機復刻や、新時代のアナログシンセをたくさんつくり、不安定でじゃじゃうまなアナログ回路の設計と量産に関するノウハウを積み、ついにアナログシンセ・リバイバルから 10 年、コルグ最初のシンセ試作から 50 年ちょっとたった 2021 年1月 18 日、miniKORG 700FS として、700S に音色メモリーやアフタータッチ、ピッチベンダー、スプリング・リバーブ、USB、MIDI などなど追加したうえで復刻させた。すでに加藤氏は逝去されたあとであったが、当時のエンジニアだった三枝文夫監査役が復刻に関わったという、原点回帰。
原点にして異形なのか。そもそも異形とはなにか?
これを異形のシンセと見ても不思議ではない。 しかし、シンセとはもともとは自由な存在ではなかったか。既存の楽器からの自由解放。しがらみからの逃走と既存文脈への闘争。なんでもかんでもかっとおふふりぃけんしぃなのは、シンセにあるまじき様式美ではないのか?
というわけで、ここまで過去を総括した上で、なおかつ、今までの歴史も文脈も、この総括も全く関係ない若い世代が、あたらしい世代が、彼らなりの文脈とセンスとで、あたらしく使ってくれることを、期待する。老害は黙ってなさい、自由に育成できる土壌づくりに専念してね。
せやかてシンセは、あらゆる既存からの自由なんやさかい。
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Revision Log; Jan 18, 2021 - First Edition posted
Korg microKORG 2: Best Presets & Sound Demo
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A Korg retrospective
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