私が夢みるのは心配や気がかりの種のない、均衡と純粋さと静穏の芸術であり、(…)鎮静剤、精神安定剤、つまり肉体の疲れをいやすよい肘掛け椅子に匹敵する何かであるような芸術である
『マティス 画家のノート』
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私が夢みるのは心配や気がかりの種のない、均衡と純粋さと静穏の芸術であり、(…)鎮静剤、精神安定剤、つまり肉体の疲れをいやすよい肘掛け椅子に匹敵する何かであるような芸術である
『マティス 画家のノート』

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誰だって 成功したい……!
分かりやすい 意味での 成功……
世間的な 成功……!
金や 地位や 名声……
権力 賞賛……
そういうものに 憧れる……
けどよ……
ちょっと 顧みれば 分かる……!
それは 「人生そのもの」じゃない……!
そういう ものは 全部……
飾り………!人生の飾りに 過ぎない……!
ただ…やる事……その熱……行為そのものが…
生きるってこと……!実ってヤツだ……!
分かるか……?成功を 目指すな…って 言ってるんじゃない……!
その成否に 囚われ… 思い煩い…
止まってしまうこと…熱を失ってしまうこと…これが まずい……!
こっちの方が 問題だ……!
いいじゃ ないか……!三流で……!
熱い 三流なら…上等よ……!
まるで 構わない…構わない話だ……
だから…恐れるなっ……!
繰り返す……!失敗を 恐れるなっ……!
福本伸行『天 18』
「けどよ…仮にそうだとしても そういう才能みたいなことと…
命は 関係ねえだろ………! いわゆる 凡庸なヤツ の中にも 輝いている 者は 沢山いる………! だろ…?」
「そりゃあ…」
「いるさ… いくらでも いる…!
楽しむか 楽しまないか だけだ…!」
「楽しむ…?」
「勝負するってことよ…!」
「だから…それが 無理なんですって…!
赤木さん…! 勝負を楽しむ なんていうのは あくまで 勝つ人の話で……
上には上が ある… 赤木さんや 天さんの 麻雀には 届かないって 分かって しまった以上…
もう 勝負なんて…勝負を楽しむなんて…不可能でしょ…!そんなこと…! 違いますか…?
ただ 傷つくだけじゃないですか…?
そんなこと しても…!」
「そうかな… 案外そうじゃないんだけどな…フフ…まあいいや…そこは置いとこう……!
そこは ひろの 言う通りだと しよう…!しかし…そんなに 悪いかな………?
傷つくって……!思うように ならず…傷つく…っていうか…イラつくって いうか… そういうの……悪くない……! まるで 悪くない………!
俺は いつも…そう考えてきた……!
傷みを受ければ てめえが生きてるってことを 実感できるし……
「傷つき」は奇跡の素……最初の一歩となる………!」
「はぁ…?」
「フフ… 大抵の 奇跡… 偉業は…
初めに まず 傷つき…… その コンプレックスを 抱えた者が 通常では 考えられない くらいの 集中力や 持続力を 発揮して……
成し遂げるものだ……! つまり…
天才とか いわれる連中の 正体は…
みな その類の 異常者……!
さらりと 生きていないっ……!
あいつらも さらりと 生きてない……! 結局… ハナっから 勝つ人… 負ける人 なんて いないんだ……!
結果 表れるだけ…… !勝ったり負けたりが……!
決めるなよ……自分が 勝てないなんて……決めるなよ……!」
福本伸行『天 18』
「赤木…… その「魂」…「意識」みたいなものは…あるのかな…?」
「ククク…まるでねぇとは 言い切れねえん じゃねえか… 俺たちが 元々… 無生物だったことを 考えれば…」
「無生物…?」
「そうさ… 人はみな… 昔 砂つぶ… 海に溶けた塵だの 砂利だのの 淀みたいな ものだったんだろ
そこから 原始的な生命が 生まれ… 進化に 進化を 重ね…人間に なった…
だと すれば つまり… 無生物の中に 生き物の素 種があった ってことに なる
その種って のは… なんて いうか まあ「乱暴」に 言っちまえば ある「意志」…
ある「意志」のようなもの だったんじゃないか… つまり 無生物の中にある…生命になろう…って 気持ちとでも いうか…
その 気持ちが あったから 無生物は 生き物に 変わりえた
その 方向性が なかったら 淀みは 永遠に 淀みのままさ…
あるいは こんな風に 考えたりもする
要するに 砂や石や水… 通常 俺たちが 生命ではないと 思っているものも…
永遠と 言っていい 長い サイクルの中で
変化し続けていて それは イコール 俺たちの 計りを 超えた…
生命なんじゃないか……と……!
死ぬことは…その命に 戻ることだ…!」
「……消滅しねえのか?……」
「ククク… 消滅 しようが ねえのさ
すでに 今ある ものは 存在し続ける… 形を 変えてな…
そういう意味じゃ… まぁ…不死だわな……」
「うう… うっ…!……そんな話を もっと してくれ…もっと……!
この間…再発して…2年 なんとも なかったんだが… この間…ついに 転移した
今度は リンパに もう 手術は 効かない…
化学治療も 効果は 期待薄…! わしは…癌で……
赤木っ!……怖いんだ……これで 終わりかと 思うと…もうすぐ……死んじまう かと 思うと…! わしは…」
「銀次…大丈夫…おっかなく なんか ねぇんだよ……!」
「赤木…」
「俺が…俺が先に 死んでやる……!
綺麗に 死んでやるから……! 安心しろっ………!
だから…受け入れてやれ 死を……!
出来る限り…温かく……! 迎え入れてやれ…!
俺の 感触じゃ 死ってヤツは…そう 悪いヤツ じゃない
出来るさ… お前にも 出来る
俺が 見てきた 限りじゃ
あったかい人間は あったかく 死んでいけるんだ
おっかなくなんか ねえんだよ…銀次……」
福本伸行『天 16』
「私の夫は出会った18歳の時からずっと、『女性の仕事は、それが外でする仕事であれ家の中の仕事であれ、男性の仕事と同じくらい重要なものである』と信じてくれる男性でした。このような類まれなパートナーに恵まれていなければ、私が今この部屋にいることは絶対になかったでしょう」
ルース・ベイダー・ギンズバーグ

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開口一番、「人生辛いことばっかりだよね」という話になり、思わず涙が溢れ出てしまった。と同時に端から見れば、何なんだこの人という光景だろうと思うと爆笑してしまった。しばらくゲラゲラ笑いながらボロボロ泣いた。
『中原昌也作業日誌 2004→2007』
相手のことをどうだっていいと思うことが相手のためになることだってある。ということを痛感する。自分のやってるような仕事、自分が目指す仕事なんて、誰も望んではいない、という事実を噛み締めるべきである。誰の必要ともされない、寧ろまっとうな人生の邪魔になることなのだと肝に銘じるべきだと、泥酔しながら強く感じる。
『中原昌也作業日誌 2004→2007』
「いかなる中立性も、いやそれどころか、自発的に表明された好意すらも、全体的支配の立場からすればはっきりとした敵対とまったく同様に危険なのだ。その理由はほかでもなく、自発性はまさに自発性であるが故に予測不可能なものであって、そのため人間に対する全体的支配の最大の障碍になるからである。」
ハンナ・アーレント
人を傷つける行為ってな、一瞬は溜飲が下がるねん。でも、一瞬だけやねん。そこに安住している間は、自分の状況はいいように変化することはないやん。他を落とすことによって、今の自分で安心するという、やり方やからな。その間、ずっと自分が成長する機会を失い続けてると思うねん。可哀想やと思わへん?
又吉直樹『火花』
愛について、美しさについて、感謝について、語ることをやめないこと。詩人千祥炳は歌を歌う。世の中は美しいと、人生には深みがあると、生きていればいいことも悪いこともあったと。だから、風よ、びゅうびゅう吹いてくれと……。今回の「ハンギョレ」コラムは千祥炳について書いた。ある程度満足。
キム・ジニョン『朝のピアノ 或る美学者の「愛と生の日記」』

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親の精神的な成熟度
各項目が自分の親に当てはまるかどうかチェックしてみてほしい。
◻︎些細なことにも過剰に反応することがよくある
◻︎子どもに共感したり、相手がどう思うかを気にすることがあまりない
◻︎精神的な親密さや感情といった話題になると、気まずそうな顔をして、それ以上その話はしなかった
◻︎言動や考え方が自分とちがう相手を前にすると、よくイライラしていた
◻︎自分が成長するにつれて、親は自分を相談相手として利用したが、自分の相談相手にはなってくれなかった
◻︎ほかの人の気持ちなどおかまいなしに、なにかを言ったりすることが多かった
◻︎とても具合が悪くなったとき以外、親にかまってもらったり、心を寄せてもらったことはないと思う
◻︎分別のあることを言ったかと思えば、わけのわからないことを口走ったりと、気まぐれだった
◻︎自分が落ちこんでいても、表面的ななんのなぐさめにもならないことを言われるか、逆に怒られたり、嫌味を言われたりした
◻︎会話の内容はたいてい、親の興味があることばかりだった
◻︎控えめに話していても、親に理解されないかもしれない意見だと、身構えてしまうことがあった
◻︎自分がうまくできたことを話しても、どうでもよさそうだった
◻︎親の意見の前には、事実も論理もなかった
◻︎親は、自身を省みることもなかったし、問題が起こってもそれを自分のせいだと考えることもまずなかった
◻︎両極端な考えをしがちで、新しいアイデアを受け入れようとしない
あなたの親にはいくつ当てはまっただろうか?
複数の項目が当てはまったのなら、おそらくかなりの確率で精神的に未熟だったと言える。
リンジー・C・ギブソン『親といるとなぜか苦しい』
これではまだ甘い。より一層、荒んだ気持ちにならなければ、もっと悲惨にならなければ、もっと人から嘲笑われるような最低な人間にならなければ、もっと他人が死のうがどうしようがまったく気に留めないような強く冷たい孤独な人間にならなければ、僕は人並みには金を稼ぐことができないのだ。そうでないと文章は書けない。
『中原昌也 作業日誌 2004→2007』
「盗みや殺しや サギなんてしてないよ
遊んで食べて 寝ているだけだよ
なんで悪いの?」
(…)
「コジコジ……キミ…将来 一体何になりたいんだ…それだけでも先生に教えてくれ」
「コジコジだよコジコジは
生まれた時からずーっと 将来もコジコジはコジコジだよ」
さくらももこ『COJI-COJI 1』
「老後に希望を 持たせる」 とかさ
そういう人じゃ なかった
もっと 焦らされる みたいな…
先輩なら わかりますよね
たらちねジョン『海が走るエンドロール 9』
……きみにはまだたくさんの時間が残されているのだから、悲しんだり苦しんだりせずに生きつづけることが期待されているんだ。(…)やがてはジャン・ヴィゴの映画(「アタラント号」、一九三四)の[あの狂った名優ミシェル・シモンが演じた]ジュールおやじの役を演じられるようになるきみだ。それがフランソワの見解(l’avis)でもあったし、そして、わたしの見解でもある。フランソワの人生(la vie)も、そしてわたしの人生も、きみのおかげなのだし、きみあればこそだったんだよ。(…)
『ゴダール全評論・全発言 II』「送られなかった手紙」

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声を失ったあとペロスは、もう言葉の海で泳ぐことができないと書いた。しかし彼にとって、海は最初から泳げない場所ではなかっただろうか。海のなかでは呼吸ができない。孤独はこの世で「息をする」ための大前提だった。
堀江敏幸『魔法の石板 ジョルジョ・ペロスの方へ』
彼女のラストの三年間は、死に向かう絶望、悲嘆にくれる三年ではなく、生そのものの年月だった。母と私たちはよくしゃべり、よく食べ、飲み、笑って、泣いて、口げんかもし、たくさんの人を家に迎えた。がんの宣告がなければ、母と息子がここまで深く交わることはなかっただろう。母と私たちに与えられたのは、三年間の、文字通りの「長いお別れ」の時間だった。
澤田康彦『この家で死にたいと母は言った 親を自宅で看取るということ』