悲しい歌を聴いたので、きっと彼女は帰ってこない
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悲しい歌を聴いたので、きっと彼女は帰ってこない

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君は生から死へと渡る
貴方の目に映る全てが真実。
半年も何してたのよ、どうせろくすっぽ働いちゃいない
栄光は、父と子と聖霊に。 はじめのように今もいつも世々に。 (堕ちる天使にお祈りを) アーメン

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わたくしは
アンタレスのそばに。
落ちる星に願いを 結果なんて聞くまでもない
知らねえのかもしんねえから言ってやるよ。
アンタ、言葉で人が殺せる人間なんだぜ。
破滅夢見る (Thank you for following me!)
誰も望まない未来

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覚えていなくていい、忘れてくれ
「先週風邪を引いてたろ」 言ってありがたくもないジンジャーティーを渡される。 酒の方が好きだ、むしろ酒しか選択しない。それでもアイツは体のためとババアみたいなものを俺に寄越すんだ。 「この前乾燥するって言ってたからよ」 言って甘ったるい匂いのするリップクリームを渡される。 なんでこんな女の付けるようなものを俺が、不惑もとうに過ぎたこの俺が使わなきゃならないんだ。 「いらねえよ、今はもう大丈夫だ。」 そう言わなければ泣きそうな顔をするこの男は、あまりにも過保護過ぎて。 気を使うことが嫌いなのにそうせざるを得なくなる、こいつも、兄貴も、あのロシアンも。 みんな敵だ。 俺に構うなよ、忘れてくれないか。 言うことが出来なくてぼんやりとした顔を見せるだけ。 誰も満足はしていなかった。
月がぞっとするほど赤かった
いつか聞いた話。 神様が全てを終わらせるとき、空は青黒く風はひとつも吹いてない、それはそれは不気味な音の中に人間はただ立たされるのだと。 終わる時を見ることが出来る人間はひと握りで、太陽と月が一緒に地面を焼くものだから大半の人間は息もできずに死んでいく。
青黒い空に映えるように、月がぞっとするほど赤いそうだ。
「世界が終わるとき何をするっていうクソみたいな質問、俺大好き」
一際目をひく変な髪色の男は、酒やけの声で上機嫌に話しかける。相手は床に伏せてほんの僅かに胸を動かすだけだった。
「俺はね、ムカつくくらいパリッパリにシャツをアイロンがけするよ、そんでそれを着てトマトを買いに行くんだ」
男は何かに魅せられているように喋り続ける。少しずつ相手は静止に近づいていた。
「そのトマトは食べない。持って歩いて川に行って、濁って泡立ってる汚い緑色の溜りにさ、割れないように投げ入れるんだ」
「俺が今…終わるから、言わせてもらうがよ…そんな暇ぁないんだぜ…」
血だまりの中で強がるように睨み付ける男の目を針で思いきり突き刺して立ち上がる。
「てめえのしょうもない世界の話をここに持ち込むなよ、俺の世界は一流なんだ」
完全に動かなくなった男を背に、汚れを拭っては磨く。釘、針、アイスピック、流麗なデザインのマンゴーシュや投げナイフ。悦に入ってそれを眺める男の頭上で 月が、ぞっとするほど赤かった。
お題:【月がぞっとするほど赤かった】 「覚えていなくていい、忘れてくれ」 http://shindanmaker.com/230632 書くやつメモ
くだらない夢
たとえば水の中でゆらゆらしていられたら幸せだろうか ずうっと水の中にいて外を見ないで過ごすんだ 考えることなどせずにただゆらゆらしていられたらそれはきっと そこまで考えてしまった、ああ結局考えてしまった なにせ変な夢を見たんだ、許しておくれよ 俺は海藻になっていたんだ、ホントだって、夢だけど ダシが出ちゃうんじゃないかヒヤヒヤしてた 出てたかもしれないけどよく分からない、だってずうっと水の中にいたんだ ふわふわとどこか遠くにちぎれていった体を目で追うことも出来ないけれど それがどうにも気にならなくなってるくらい長い間ゆらゆらして 「帰ってこられなくなるさね、その辺にしておいた方がいい。」 目の前の作家気取りはニヤニヤとしながら俺を見ていた。 なんだか全部がこびりついた色をしている。 ゆっくりと目を閉じて、再び開けても誰もいないのはなぜだろう? そうしてもう一度、俺は海藻になる。
神の正義を貫け

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秋告鳥
チキチキと耳障りな音が鳴る。 街はうなだれていて誰もその音に気づいてはいなかった。 高い塀の、更に天辺には有刺鉄線が張り巡らされていて 蜂が、串刺しになっていた。 「こんにちは、お嬢さん。」 色とりどりの風船が紐でつながれていて。 「今からサーカスをするんだ、見ていってよ。」 変な髪の色をした胡乱な目のピエロが近づいてくる。 「サービスもするよ。俺はね、声真似が得意なんだ。」 心が落ち着かなくなる外れたG#。 『ほら、おいでよ。ポップコーンを買ってあげよう。』 死んだはずの父の声がした。 「百舌鳥ってさ、あれなんで串刺しにしてんの?」 「んー…趣味?」 打ちっぱなしのコンクリートしかない部屋で変な髪の色をした男がヘラヘラと笑っている。 そいつは右手にアイスピックを握っているのに誰も飲み物を持っていなかった。 「鶯さん、なんで俺なんか拾ったの?」 ヘラヘラ、ヘラヘラとまだ笑っている。アイスピックを大切そうにケースにしまいながら『鶯』が鳴くのを待って。 「はは、俺ねえ、悪趣味な奴大好きなの。だからじゃない?」 なあんだ、だからかあ。と声が聞こえた。 テレビの人気キャスターの声が聞こえた。
ヒマワリ
「俺ね、ヒマワリが嫌いなんだよ」
薄暗い場所で随分としなびたヒマワリを一輪、ぐるぐると回しては眺めている。
「元気の象徴とかそういうの、あなたは好きじゃあなさそうですしね」
広げる必要もない会話にちゃちゃをいれてみる、ヒマワリの嫌いな男はおかまいなしに話しはじめた。
「それもあるんだけどさ、真ん中真っ黒で周りにちょろっと黄色があるからって騙されすぎなんだよ、みんな。俺はこんな、子供残すことしか考えてないようなフォルムが、さ」
美しくないよな、としなびたヒマワリを叩きつけて立ち上がる 不健康すぎる肌色、不安になるような猫背、相変わらずぼたぼたとよくわからない音を発しているすり減った革靴。
「植物なんて、繁栄、が命題でしょう?」
「それをオブラートに包んで欲しいってーかロマンがないよね、それが嫌なんだよ」
それでは飯は食えない。そんなことは口に出さなくてもわかることだ。ロマンに生きてる男には分からないだろうが。
「まあ腹の黒いのが見えてるやつと見えてないやつ、ってことだろうなあ…見えてる奴がね、嫌いだ、ちょうど、」
あの人みたいな、と顎で指した方には無愛想な男が一人 品定めでもするようにこちらを眺めていた