西区にあるMoMoBooksという独立系の書店で催されたトークイベント「シリーズ“左翼は反省せよ"vol.3 津田大介とメディアを考える」を観覧しに行った。旧友で大学教員の風間勇助さんがホストとなり、ゲストを呼んで左翼のこれまでのあり方を反省し、これからについて再考する鼎談。ゲストが津田大介さんというビッグネームだったし、本人曰く関西エリアでイベントに出演する機会もほとんどないとのことだったので、チケットが販売開始になってすぐに購入していた。
会場は満席―といっても席数自体が20ほどしかなかったのだが―とのことだったので、少し早めに会場入りして最前列に陣取る。後半の質問タイムでは、向こう見ずに挙手をして津田さんに質問をぶつけることもできた。もろもろ含め、印象に残った点を以下、箇条書きでまとめる。
人権を蔑ろにしない、権利を尊重する、といった価値観(津田さんはそれを「ヒューマニズム」と呼ぶ)は、右翼であれ左翼であれ、考えのベースとして持っていなければならないものである。少し乱暴な言い方をすると、個人よりも集団の論理を優先するのが右翼で、その反対が左翼となるわけだが、ヒューマニズムのような価値観がベースにあれば、過度に右や左に振り切れることはないし、左右で力点の置きどころは違えど、対話をすることが可能になる。
・「ヒューマニズム」のような価値観をどのように広げていくか
権利の尊重といった価値観をまだ共有できていない人々にもそれを浸透させていくためには―今回のイベントのメインテーマである「メディア」という観点から言うと―なるべく多くのインプレッションを稼ぎ、自分たちが提供するコンテンツがより多くの人々にリーチするようにしなければならない。それは、現状のプラットフォームの設計上、避けられない。しかしながら、インプレッション至上主義に傾くのは(津田さん自身の)美学に反することであり、インプレッションを稼げるセンセーショナルな話題ばかりを取り上げるメディア運営はしたくないと考えている。ではどうするかというと、ポリタスTV以外のメディアにも出向いていき、なるべく多くの人の目に触れる活動をしていく、という戦略を取っている。
上記に加え、津田さんが信じるのはアートの力である。アート(芸術、音楽、映画、文学etc…)には、それに触れた者の価値観を大きく転換させてしまうような強力な力がある。アートに込められた(政治的な)メッセージを受け取った者は、期せずして「自分も◯◯について調べてみよう/考えてみよう」と、なんらかの行動変容を促される契機をる(直近ではフジロックでのMASSIVE ATTACKの政治的メッセージが想起される)。
総じてとても勉強になったし面白かった。津田大介、エナジーとパッションに溢れるアツい男だった。